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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

原点は家族思いの母。<br/>料理は気持ちを伝えるツール
Interview vol.82

原点は家族思いの母。
料理は気持ちを伝えるツール

23番地COOK~人と料理の交差点  秋山直美 さん

http://www.facebook.com/23fanDecookrentoLiaoLinoJiaoChaDian

短大卒業後、経営ノウハウを学ぶため、大手料理教室を経て、リクルートに就職。飲食店への飛び込みメインの営業経験から、人は人によって動く事を身を持って学ぶ。その後、飾り巻き寿司と出会い、飾り巻き寿司マスターインストラクターの資格を取得。2011年3月、23番地COOK設立。現在読売カルチャーセンター講師、目黒学園講師多数。料理は、人類共通のコミュニケーションツール!!をモットーに企業の料理研修、料理イベントの企画運営にも力を入れている。

原点は家族思いの母。料理は気持ちを伝えるツール

23番地COOKを主宰、クッキングコミュニケーターとして多くの人に料理の楽しさを伝えている秋山さん。家族のために心のこもった料理を作る家庭的な母親の姿や、料理を楽しく身近に感じる家庭環境が原点という秋山さんに、リクルートでの営業経験も活かして料理教室を立ち上げるまでの経緯や、今後の目標などたくさんのお話を伺った。

料理をコミュニケーションツールに!原点は家庭的な母親

『クッキングコミュニケーター』の肩書きを持つ秋山さん。料理でコミュニケーションをとる原点は、「お父さんが疲れている時はこの材料を入れるんだよ」と家族の体調を気遣い工夫した料理を作る母親と喜ぶ父親の姿。そして料理を楽しく身近に感じる家庭環境。秋山さんの実家では当時300羽のニワトリがいて、毎朝自分で食べる玉子をとり、冷蔵庫には各自の名前や顔を描いたかわいい玉子がずらりと並んでいた。
人と話すのが苦手で意地っ張りな性格だという秋山さんにとって、料理は「ありがとう」「ごめんなさい」など気持ちを素直に伝えるためのツールだ。丁寧に作った料理には、その人を大事にしている思いが込められている。もっと多くの人に、コミュニケーションや愛情表現のツールとして料理をしてほしいと語る。
秋山さんが幸せを感じるのは誰かを喜ばせようと料理を作っている時。花や動物の図柄を巻き込んだ“飾り巻き寿司”を切る瞬間のわくわく感がたまらない。料理教室を始めるきっかけとなったのが、この飾り巻き寿司との出会い。友人とその子供たちを喜ばせようと、ホームパーティーの手土産に華やかでインパクトがある「寿司ケーキ」を作るためインターネット検索をしていた時、偶然見つけたのが飾り巻き寿司インストラクター養成スクールだった。

人は人によって動く。営業経験も活かし起業

20代前半は漠然と結婚したらサロネーゼに、と考えていた秋山さん。最初から起業しようと思っていたわけではなかった。短大卒業後は大手料理教室の先生として半年間勤務したのちリクルートに転職。飲食店への飛び込みメインの営業を6年間経験する。「やったことへの対価はきちんと得たい」と固定給制ではなく歩合制を選ぶ「何事も一生懸命頑張りたい派」。仕事がつらく泣くこともあったが「知恵がないなら汗をかけ」と根気良く3ヶ月以上通い続けるうちに、最初は迷惑そうだったお客様からも契約が取れるように。『人は人によって動く』ことを身を持って学んだ。
営業経験は料理の先生としての初仕事獲得にも活きた。偶然見つけた飾り巻き寿司インストラクター養成スクールに通い、最上級の資格も取得。在学中からカルチャーセンターへ「講座を開きたい」と実物の巻き寿司を持って飛び込み営業もした。メールや電話だけでなく、人は会うと心が動くもの。すぐにコンスタントに仕事が入るようになった。講座は大好評。友人たちからも教えてほしいと依頼されることも多く、2011年23番地COOKを立ち上げる。 立ち上げ当初に企画した仕事は、当時流行していた「料理合コン」。30~40人の男女が二人一組でパンを作り、生地の発酵時間を利用してコミュニケーションシートの記入や、フリータイムにしたり。このイベントから何組かカップルも誕生したそうだ。


楽しかった!と素直に表現してくれるのがうれしい。子供向け料理教室

現在23番地COOKでは、カルチャーセンターでの講座や50人規模の料理教室など月に平均して15回のレッスンを行う他、レシピ開発や大手企業とのコラボでオリジナルエプロン販売も行っている。最も力を入れたいと思っているのは、子親子向けの料理教室。特に子供は、楽しかった!とその場で素直に表現してくれるのがとても嬉しい。 親子での参加となるため大人と子供2名で1名分の料金となることや、場所やスタッフの人件費など大人向けの教室に比べて苦労は多いが、やりがいを感じる。
料理教室の参加者は、リピーターや口コミがメイン。その秘訣は、写真撮影にも重点を置いていること。時にはプロのカメラマンに撮影を依頼することもある。季節によっては子供たちがコスプレして出来上がった料理と記念撮影。通常プロに撮影をお願いすると1万5千円ほどの料金がかかるそうだが、23番地COOKの子供向け料理教室ではサービスの一つ。子供が喜ぶのはもちろん、かわいい写真も撮ってもらえ親にとって嬉しいポイント満載だ。
facebookも上手に活用している。写真は23番地COOKのページだけでなく、許可をもらって参加者のウォールにも投稿することでリピートや口コミを促す工夫をしている。その他、いいね!が100以上ついたレシピはすぐにレッスンにするなど。SNSはみんなの反応が見えるのが楽しい。


目指すは法人化。料理教室運営の仕組み作りがしたい

秋山さんの強みは、思ったことを形にする力と料理の概念にとらわれすぎないところ。今年は、年初にエプロンファッションショーを予定している他、本の出版も目標。彼氏とケンカした時や誕生日など日常の色々なシーンを切り口に、気持ちを伝えるレシピ本にしたい。
収益のメインとなっているのは、レシピ開発。雑誌をはじめ食品販売の会社などから多くの依頼を受ける。秋山さんが大切にしているのは正しい料理のつくり方ではなく、思いをビジュアルで表現すること。自分の強みを活かせる依頼のみを引き受けるようにしている。そんな秋山さんのスタイルに共感し、23番地COOKには自身もサロンや料理教室運営を目標としている生徒さんも多く、ノウハウを知るためアシスタントとしてボランティアで手伝ってくれている。
3年ほど前から、主婦業の傍らサロネーゼスタイルではなく、本腰を入れてやっていこうと腹をくくったという秋山さん。法人化を目指している。5年後のイメージは、講師2名が料理教室を担当し、秋山さんはスタッフの管理や集客方法、レシピの作り方、写真の撮り方などの仕組みづくりをすることで、料理教室運営のノウハウを伝授できるようにすること。その時々やるべきことをやっていくうちに起業に至ったという秋山さん。今後も多くの人に料理を作る楽しさを伝えてくれるだろう。