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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

大切な子どものため、価値のある仕事を<br/>日本をエシカル先進国に
Interview vol.80

大切な子どものため、価値のある仕事を
日本をエシカル先進国に

R Jewels Japan 株式会社 星まり さん

http://www.r-jewels.com/

1980年生まれ、2004年慶応義塾大学、2006年ニューヨーク大学大学院卒業。邦銀を経て富裕層向け外資系金融にて5年間勤務。世界的富裕層の社会貢献へのコミットメントを目の当たりにし、世界の社会問題に強い関心を抱く。少人数の外資金融で の産休・育休を経験し、ワーキングマザーとして働く中、貧しい環境で働く幼い子ども達や家計を支える母親たちに共感、エシカルジュエリーを通して多くの人々を幸せにしたいと決意。2012年R Jewels Japan株式会社を設立。現在3歳の娘と第2子の出産を控えた母である。

大切な子どものため、価値のある仕事を 日本をエシカル先進国に

現在32歳、第2子の出産を控える星さん。外資系銀行で第1子出産、育児を経験し、大切な子どもと離れる時間、自分にとっても社会にとってもより意味のある仕事がしたいとエシカルジュエリーに興味を持つ。銀行で働いて身につけた不屈の精神と家族を愛する気持ちで社会を変えようとする星さん。起業してもうすぐ1年、第二子出産を控え会社も家庭も、まだまだ変化の途中の星さんにお話を伺った。

大切なこどもに胸をはれる仕事がしたい たどり着いたエシカルジュエリー

世界各国から環境や人権に配慮した倫理的な過程から生まれるエシカルジュエリーを取り寄せ販売している星さん。現在3歳のお子様を育てながら2人目の出産も控える企業1年目のママ社長だ。起業のきっかけは外資系金融時代激務をこなしながら子育てしたことと、富裕層のフィランソロピー(社会貢献)に触れたこと。当時従業員10人ほどの小規模な会社、出産、育児休暇後の復帰も星さんが社内初。結果が求められる世界で子育てしながら新たな働き方を開拓する役割も担い、仕事と子育ての両立の難しさを実感した。
R Jewels Japanの軸を“エシカル“にしたのは、富裕層向け資産運用業務の一環として、富裕層のフィランソロピー(社会貢献)に接したこと。世界の社会問題に胸を痛めた。特に途上国の貧しい環境で働く幼い子供達と育児を担いながら生計を立てるのに懸命な母親に自分がリンクした。親と離れて保育園で頑張っている自分の子ども。大切な子供と離れる時間を、より社会貢献につながる実のある仕事に費やしたい。自分が自分らしく働ける会社、「意味を感じられる仕事」を作りたいと独立を決意。各国のエシカルジュエリーからいいものをセレクトし販売する事業を2012年春にスタートした。

エシカル「らしくない」を目指す 百貨店での販売も好評

星さんの強みは、「エシカルらしくないエシカルジュエリー」。フェアトレードらしさを脱却し“純粋にかわいい”と思ってもらえる、心ときめく華やかな商品を提供する。もちろん、商品が作られる過程の正しさにもこだわる。取引する商品は、社会的コミットの度合い、エシカルの基準、属しているフェアトレードの団体などを調査。そしてクウォリティ、デザイン、世界観を大切にし、日本人の好みに合う商品を取りそろえる。また市場調査や動向にアンテナを広げ、比較的割高になるフェアトレードの原価を企業努力によって低価格高品質を目指している。
起業して約半年、百貨店での対面販売も経験した。普段のオンラインショップとは違い、お客さまの実際の声や商品に触れる表情から、何を好んで購入してくれるのかが見えた。「かわいい、素敵」から興味を持ってくれ、「実はこの商品エシカル、フェアトレードなんですよ」という言葉にお客様はさらにハッピーになり商品を購入してくれるそう。物を通じて選んでもらっていることを実感した。
お客様との出会いが多い百貨店は夢が広がる。エシカルに関心がない人がぱっと見て「いいね」と思ってくれる可能性がある。百貨店での評判も上々。今後も販売箇所を広げ、ゆくゆくは目指せ新宿伊勢丹だ。


子育てとの両立のコツは細切れの時間の有効活用! 大好きな家族との過ごし方

2人目の出産を2月に控える星さん。新商品開発、コラボ商品づくりなど仕事に邁進している。そんな星さんに旦那様も協力的だ。「できる人ができる時にできることを」が夫婦の価値観。長時間労働をあまりせず育児も家事もしっかりやってくれる。自然 と、晩ご飯の担当は星さん、食器洗い・洗濯物をたたむ・朝ごはん・ごみ出しは旦那さんになりつつある。仕事を持つ対等な夫婦として、お互いがお互いにありがとう、家族と過ごす時間がなによりも幸せだ。
子育てと仕事のバランスを取るコツは「集中力と時間の有効活用」。段取り良く、効率よく、とにかく高い集中力を持って働くことを心がけている。子供をお迎えに行った後は、やることを頭に並べておき、絵本で寝かしつけたあと、ぱぱっと効率よく動いて寝る。例え気分が乗らなくても「今日できることを明日にのばさない」。また、睡眠、食事をしっかりとり、水泳やヨガを続けるなど心身を健康に保つことも心がけている。
2人目の出産を控え不安な部分もある。でも、未知なことに対しては考えても仕方ない。なにごともポジティブにを心がけ、ゼロが理想通りにならなくてもプラスになればいい。考え動いての繰り返しから生まれるものがあることは外資系勤務時代に学んだ。「自分の笑顔が子供のすべて。来るならこい!」とどんと構える。

ゴールド天然石のオリジナル商品を!

現在は輸入メイン。今後1、2年は素材重視の自社オリジナル製品や企業とのコラボ商品を強化していく。まずは純金の割合が75%のゴールド18Kと天然石の組み合わせのオリジナル商品に尽力。ゴールドは国際フェアトレードラベル機構で認証された高価なものだけを扱う。ジュエラーとの交渉、海外との取引には入念な準備とアプローチ、忍耐力が欠かせない。ハードルは高いが、1年の活動を通し信頼も得られ、出産直前の1月にはついに第一弾を発売予定だ。さらに、国際NGOや学生団体とのコラボ商品も検討中。エシカルに興味関心が高い若者たちにも手に取れる商品を考えている。3年後は、急な規模拡大は目指さず従業員5人程で利益を上げたい。台湾、韓国などアジア圏の進出も視野に入れている。
エシカルジュエリーを日本に浸透させることにも重きを置く。イギリスやスイスを始め海外ではエシカルの文化が昔から根付いており、日常だ。エシカルに関する財団、NPO、NGOも活発で連携もしっかり。NYの大学院、外資系金融勤務、海外との取引の中で、エシカル先進国のことを知り尽くした星さんだからこそ、ジュエリーを届ける側として、人権侵害など問題点を情報発信できる立場になりたいと考えている。
実はまだ起業して1年も経っていない。家族を大切に着実に進んでいく星さんの今後に大注目だ。