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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

1人で抱え込まないことで事業活性化<br/>自分の人生は自分で切り開く
Interview vol.79

1人で抱え込まないことで事業活性化
自分の人生は自分で切り開く

SAKU株式会社 竹谷希美子さん さん

http://www.saku-life.jp/

証券会社勤務後、金融やシステム会社などで働きながら結婚・出産を経て、第2子を出産前にファイナンシャルプランナーという資格に出会い、平成16年たけやきみこFP事務所を設立。2年は保険の代理店勤務と平行しながらライフプランニングの機会を得、平成20年にはSAKU株式会社として法人化。『12歳までにかならず教えたいお金のこと』など書籍も多数。専業主婦時代はなく、現在小学生と高校生の2児の母でもある。

1人で抱え込まないことで事業活性化 自分の人生は自分で切り開く

ファイナンシャルプランナー(以下FP)として人々の人生を咲かせるお手伝いをする竹谷さん。なんでも自分1人で行うことは辞め、家族も会社スタッフも味方につけることで事業も活性化、プライベートがきっかけの仕事も。人々に「本当の幸せを掴んでもらうため」の事業や今後の目標について伺った。

本来人には任せられない竹谷さん 家族も会社もチームで全体がよい方向に!

独立して8年目、FPの竹谷さんは仲間作りに力を入れている。事業主は誤解されやすい。自分の仕事のスタイルを旦那さんや子どもに伝えることは重要だ。社長になり、旦那からは組織に属さず暇そうだと言われ、当時小学生だった子どもからは「社長=ふかふかの大きな椅子に座って葉巻を吸っているイメージ」をもたれていたそう。理解してもらうため、2、3年はやりたいことより形になる仕事を優先、子どもは仕事場に連れて直接仕事の様子を見せた。独立したては、家族の誤解を解き協力を得ることも仕事のひとつだった。
仲間作りは職場内でも重要。今年4月からスタッフを雇い始めた。もともと人に任せておけない性格の竹谷さん、頼まれると断れず、抱え込んでしまう傾向があった。そんな中、FP仲間が過労で倒れる。自身も体に気をつけ今後も長く働き続けられるようにとスタッフを採用。採用の基準は「やる気があるかどうか」。採用の前に1日だけインターンとして雇い、遠慮なく質問をする積極性があるかを見る。現在、週3回が2人、土日が2人と4名のスタッフに支えられ、遅くても18:30には退社可能に。竹谷さんの負担は軽減し、よい影響は家族にも。締め切りに追われ竹谷さんがピリピリすることも減り、仲間作りで竹谷さん自身も、家族もハッピーだ。

スタッフが増え、事業の軸も新たに 本当の幸せを掴んでほしいという想い

スタッフが増えたことで新しい事業も可能に。現在尽力しているのはスタッフのアイディアでもある金融ライティング。金融知識を持ったライターの人材が少ないため成長分野だと考え、ここ3、4ヶ月で急成長。資格本など書籍の企画や雑誌などの特集、企業向けのコンテンツ企画・執筆をしている。現在ライターさんは11人、主観的なものは竹谷さん自身が担当し、営業も竹谷さんが行う。
顧客から直接相談を受けるファイナンシャルプランニング業は受け入れ数を限定している。現在は同時期に3組ほど。竹谷さんは普通のFPとは違う。最大の特徴は、自分の人生を本気で変えたい方の依頼だけを受けること。期間は2ヶ月、5、6回の面談で6万円。ここまで払える本気の方のため真摯に向き合い、竹谷さん自身が自宅にも伺い、その人だけのライフプランを作成する。
「本当の幸せをつかんでほしい!」。そのためには自分で判断して一歩を進んでほしいと、一般的なアドバイス通りの選択は望まない。FPへ依存性の高い人は申し訳ないがお断りだ。一方、多くのFPは個人の人生を型にはめがち。「普通のFP相談ではダメだった」という竹谷さんならではのスタイルだ。

転機はママ友がきっかけでの子ども向け本出版 社会貢献としての教育分野

竹谷さんの転機は、「12歳までにかならず教えたいお金のこと」というおこづかい本を出版したこと。出版がきっかけで、世間に信頼してもらうため法人化もした。実はこの話、子どもの保育園のママ仲間だった出版プロデューサーからの依頼が発端。保育園の先生が園内に貼ってくれていた竹谷さんの新聞記事もきっかけに。非常に分かりやすいと評判なこの本。「竹谷さんといえば子育て世代に強い」というイメージも作るが、実際は幅広いという竹谷さん。それでも世間が竹谷さんを知るきっかけとなるので、結果的にはよかったと言う。
おこづかい本など教育分野は社会貢献。お金にはなりにくいが、2児の母として「教育」は譲れない。時代と共に電子マネーなどが普及し、お金の重みが分からなくなっている現代を危惧、お金や経済、農商工に関してまなぶためのコンテンツを集めたサイト「まなぼっクル」も運営している。講師業は学生と子育て世代がメイン、講演はピーク時には月3回ほどでテーマはお金。高校1年生に今まで自分にかかったお金を教えたり、高校3年生に社会に出る前の教育をしたり。時間は100分、自ら考えるワークも取り入れる。高校生にライフデザインをしてもらうことで人生について知ってもらいたいと考えている。

FP同士の連携と、FPいらずの世の中を目指す 矛盾に見えるが竹谷さんは一貫

会社としての今後の大きな目標は2つ。金融ライティングの分野をさらに大きく育てること、そして自社の付加価値のついた目玉商品をつくること。受託業務に加え自らも発信したいと考える。最近はFP業界においては衰退が懸念され、FP同士が小さなパイの取り合いとなっているが竹谷さんはFP同士の連携が必要だと仲間にも協力を呼びかける。農業にも金融分野を広げることも大事と考える。自身が理事長を務めるNPO法人のタニマチ・アグリ・ジャパンを通して、食育と金融を繋げたい。NPO法人の活動は無報酬だが、自分の活動に活きるので意味があるという。
また竹谷さん個人にも夢がある。北海道と農業が大好きな竹谷さん。10年後には北海道で農業に関わりながら暮らしたい。以前からの漠然とした夢も、FPとして独立したことでより明確に。旦那さんも竹谷さんを応援。夢に向かって取り組む姿を喜んでくれ、カレーと麺類の料理は旦那さんが作るなど、家庭内での役割分担もばっちりだ。
自分の人生を自分で切り開けるように。金融をポピュラーにし、「生きるために必要なこと」としてお金の話はタブーではないということを発信し続ける竹谷さん。自分の夢も叶え、みんなの人生も咲かせ、「FPいらずの日本を目指す」取り組みにこれからも注目したい。