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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

キャリアを活かして独立 <br/>化粧品業界を知り尽くしたコンサルタント
Interview vol.73

キャリアを活かして独立 
化粧品業界を知り尽くしたコンサルタント

株式会社ビューティラボ 中野啓子さん

http://www.beauty-labo.jp/

1960年生まれ、多摩美術大学卒業。中堅化粧品メーカー2社に計20年勤務し、その間にアメリカにも留学。商品デザイナー・商品企画プランナー・販売企画プランナー・広報・広告企画・ホームページ企画運営・お客さま相談室・営業企画・営業を歴任し、その後、ゼロから化粧品会社を立ち上げ、運営。2007年、美容事業専門経営コンサルタント会社ビューティラボを設立。

キャリアを活かし独立。化粧品業界を知り尽くしたコンサルタント

美容事業経営をトータルでサポートする中野さん。現在上場企業をふくむ4社を扱い、今までに100社近くのコンサルをしたという実績を持つ。今回は、美容業界を知り尽くした彼女に会社員時代の経験からキャリアを活かしての独立、化粧品業界の裏側、縁の活かし方やプライベートについても伺った。

組織の中でも自ら幅を広げる 自分で何でもやるのは大変な分楽しい

言われるままに仕事をこなすのが耐えられなかった。美大出身、もともと広告プランナー志望の中野さん。パッケージデザイナーとして入社した最初の会社で、商品も知らないのにデザインはできない、商品のコンセプトをつくることでデザインも変わると自ら提案を始める。実際に市場調査をして商品企画をするとこれが評価され、商品企画プランナーをデザイナーと兼任。商品企画にはリサーチ、ターゲット、バルク(中身)、デザインまで含まれる。8年の在籍中、部署ごとにテリトリーがある中でも、最大限自分の幅を広げる努力をした。
その後、ノエビアの子会社に転職。前職よりも規模が小さくなったがゆえに1人でこなす業務が驚くほど広がったとか。協力会社さんとの折衝などダイレクトな関わりも初めて経験、お客様相談室も始めた。「好奇心旺盛、悪く言えば飽きっぽい」と笑う中野さん。2000年まだEC(インターネット販売)をしている企業が少ない時代、広報目的のホームページ制作運営にも着手。広告代理店やグループ会社の方とWEBでの広告手法や販促のノウハウなど情報交換し多くを学んだ。転職してなんでもやれたのは、大変だった分楽しさが大きかった。

前職までの経験、人脈を活かして独立 化粧品業界を知り尽くしたからこそできる

化粧品業界に20年勤めた後、ヘッドハンティングされてさらに小規模な組織へ転職。それまでの店頭販売に加えWEB通販も初めて実施。お金をかけなくても売れる方法も実践。
前職までの人脈、実績は必ず活きる。全社での取引先との商談でも「あの時の企画はあなただったの!」と前職までの実績で取引がすぐ決まったとか。「前職で頑張ったから今繋がっている。」ちゃんと実績を残してよかった、と当時を振り返る。
その頃社外から化粧品会社の運営について相談を受けるようになる。様々な交流会に参加し、友達の友達などからも相談を受ける中で、ニーズがあることを初めて知った。「労力をかけても上手く行かない会社が多いなら自分のノウハウでその手助けをしたい」と手探りで独立、ボランティアのように開始した。
売れるためには、商品ありきではダメ。どこのチャネルで売るか決めてから商品企画をするべき。化粧品業界はチャネルによって業界が違うようなのだとか。例えば店頭販売は問屋さんと商談さえ決まれば一応安心。通信販売は広告を打ち続けないと売れない。一方テレビ通販はある意味広告費無料で宣伝してくれる媒体。ブログ、メルマガでのゼロからの広告の仕方もある。郷に入れば郷に従えで、素直に受け入れることが大事という。

キャリアに固執はしない 新しいインプットと築き上げた人脈をブレンド

キャリアを活かしているといっても、昔の経験に固執しているわけではない。「自分の世界だけでやっていると失敗する」。時代は流れている。先を行く必要はないが、日々新しい環境をきちんと勉強し情報を仕入れ、今を見極めるのが大切。積極的にセミナーを受けたり、様々な業界の方に話を聞いたりしている。
そうは言っても昔からの関係は大きい。工場やパッケージメーカー、バイヤーさんなどとのネットワークがある。中堅の会社で実績を積んできたおかげだ。培ってきた信頼があるから依頼されるし、依頼できる。当時は繋がりなど考えていなかったという中野さんも、上下関係なく一緒に取り組んでいた仕事仲間と、持ちつ持たれつのよい関係が築けている。
今扱っている企業は上場企業含め4社。これまでに100社近くのコンサルをした。商品も販促もどちらも大切で反応がすぐ返ってくるところに化粧品業界の醍醐味を感じているという中野さん。HPを立ち上げるとすぐにお客様がつき、「中野さんしか見つからなかった」という方も多いとか。実務は外注し、プロデュースに専念。モンドセレクションの申請代行もしている。経験を活かし、ホームページも自分で作成しているという。

常にポジティブ、挑戦する姿勢 子どものおかげで仕事もはかどる

できるのならば何でもやる。新しいことには「私にやらせて!」と明るく積極的な姿勢、深く考えずに挑戦。ブログは今でもほぼ毎日欠かさず、SEO対策として地道な努力を続けている。
子育てとも両立してきた。現在大学生のお子さんがいる中野さん、当時会社で第一号となる育休を一年とっただけで、休まずずっと仕事を続けている。仕事と子育てのバランスが取れて、お互いがお互いのストレス解消になりはけ口になった。時間の管理も上手になったとも。子どもと関わることで自分の成長のためにもなった。
「堅く考えなくても独立できちゃうよ」と中野さん。社会人になった当初は今のような仕事をしているとは思ってもみなかったが、20年以上仕事をひとつひとつ丁寧にしていくうちに今に至った。今後の課題は「人をやる気にさせるノウハウを身に着けること」。業界の常識を理解さえすれば誰でもできる。クライアントに言い訳させたくないと、今でもひとつひとつ真剣に取り組む。
喜んでいただくのは嬉しいし、仕事は楽しい。自らの得意分野を活かしてのびのびと働いている。9月には出版も控える。これからもキャリアを活かしつつも新しいことに挑戦していってくれるだろう。

(インタビュー/那須美樹子・ライティング/高見純子)