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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

社員4名で世界進出が次の夢。<br/>外れないピアスキャッチと<br/>バックピアスで健闘中。
Interview vol.40【後編】

社員4名で世界進出が次の夢。
外れないピアスキャッチと
バックピアスで健闘中。

株式会社Chrysmela 菊永 英里さん

http://www.chrysmela.com/

1981年生まれ。幼少期を海外で過ごす。2003年大学卒業後、株式会社テレウェイヴ入社。 ソリューション事業部にて、ITソリューション販売、役員秘書、 新規事業立ち上げに従事する。2005年 クリスメラキャッチの開発を開始し、同社を退職後、2007年7月 株式会社Chrysmela設立。代表取締役に就任する。

社員4名で世界進出が次の夢。外れないピアスキャッチとバックピアスで健闘中。

前編では、社長業に至るまでの修行期間の道のりを中心に紹介した。後編では、アイデアが生まれたきっかけや研究開発の苦労、今後の夢をうかがった。一商品を作り上げる上では、人脈をカバーするためのフットワークと戦略性が大事、ということを20代の彼女から学ぶ。 女性の必須アイテムとなる予感のクリスメラキャッチに期待したい。

はずれないピアスキャッチプランは彼との喧嘩からスタート。

ピアスキャッチのプランのきっかけは、彼からプレゼントされたピアスを紛失したこと。私は「悪いのは私じゃなくてキャッチだから」って責任転嫁!(笑)友達からもよくピアスをなくしたという話を聞いていたので、これは需要があるんじゃないかと調べ始めました。ピアスキャッチプランは、父が同意してくれた初めてのプランです。
サンプル作りのために、図面を描いてサンプル製作の会社を探しましたが、20万個以上でないとダメなどと断られ続けました。テレウェイヴの社長にぽろっとこぼしたら、社長が製造先を紹介してくださり、ようやく一つサンプルができました。2006年に特許出願。満を持して量産してくれる会社を探しました。しかしなかなか見つからず「片手間ではいつまでも商品化できない!3年間、この事業にかけて駄目だったらあきらめよう」と決意して2006年末に退職しました。2007年7月に資本金300万で株式会社クリスメラを設立。量産化してくれる会社を探すことに集中しました。インドや中国の会社も含めて200社以上にメールでアプローチ、40社強に訪問をしても駄目。2008年4月に「最後の勝負!」と思って出会ったのが長野県の岡谷精密工業株式会社の松嶋社長。プランを思いついた2005年夏から3年で商品化を実現しました 。

クリスメラキャッチ製作に関わる人たちと思い。

岡谷精密工業株式会社の松嶋社長は、製造業で初めて、「この商品は面白い。私は職人だから面白い商品に関わりたい」っておっしゃってくださったんです。女性社員や家族にもヒアリングをしてくださって、一緒に商品開発を頑張りました。2008年4月の出会いから1ヵ月後に100個のサンプルが完成。夏には発売します!というわがままに合わせて、松嶋社長は徹夜を繰り返しながら製造をしてくださいました。
また、クリスメラには現在もう一人社員がいます。彼女は、テレウェイヴ時代の後輩でトップ女性営業マン。退職の日にたまたますれ違った彼女に「今日、退職するよ」と伝えたら「なにするんですか?」と聞かれ、そのまま喫茶店に移動して、事業プランを話し始めたら、盛り上がってしまって。彼女は営業視点からたくさんのアイデアを出してくれるんです。その場で、「私もそれ、やりたいです!」と言われました。私もその場で、「二人で世界に行こう!」と気づいたら二人でがっちり握手していました(笑)。「最初は給料出せないよ!」という言葉にもひるまず半年後に参画。私は営業ができないので、非常にありがたいパートナーですね。製造もそうですが、私のできない事を補ってくれる仲間がいるというのはとても心強いです。

新しいジャンルの確立と、私たちが社会にできること。

発売当初はジュエリーショップが中心になるのかな?と思っていたのですが、生活雑貨としてテレビショッピングでも完売した実績もあり、この商品はこういう店でないと置きづらいという垣根が低い商品だなと感じています。ピアスキャッチは、4種類で4800円~。20代~40代へのアンケートで、平均6個のピアスを持っていると結果が出ましたが、クリスメラキャッチはどのピアスでも対応できるので1個あれば全部に安心して使っていただけます。さらに、はずれにくく、どのピアスにも合うことを生かして、後ろ側からもおしゃれを楽しめる「バックピアス」というジャンルの確立を目指しています。
また、社会に対して自分ができることは何だろうと考え、販売したキャッチの数と同数の色鉛筆を東南アジア諸国の子供たちに届ける「カラードリームズプロジェクト」を行っています。どこかのNGO機関に委託するのではなく自ら届ける事が重要だと思っているため、今年の分を持って来年3月にタイに行きます。食べ物ではなくなぜ色鉛筆なのか。それは、私自身が外れないピアスキャッチがほしいと一本の鉛筆で図面を描き始めた所から今があり、子供たちに「夢は願って、描いて、実現するんだよ」と伝えられたらと思っているからです。世界の子供たちがいろんな夢を色鉛筆でカラフルに描いて、それが叶い始めたら、ちょっとわくわくしませんか?


社員4名で2010年に世界進出を目指す!

今後の目標は、1年後(2010年)に社員4名で世界進出すること。日本女性の40%はピアスの穴を開けていて、20~30代では60%ですが、ピアスは世界最古のアクセサリーで世界的にはイヤリングよりメジャーなんです。金具製造技術がなかった紀元前のギリシアでは18歳を過ぎた地位の高い男性は耳に穴を開けピアスをしていたり、ピアスは「魔よけ」の役割を担っていたそうです。ピアスは非常に歴史が長く、大きな世界的市場です。まずは今年、来年で日本での認知度を上げてその後世界を目指しますが、クリスメラキャッチは低価格商品ではないので、フランス・イタリア・イギリス・アメリカなどの先進国でかつ、ファッションに対する関心が高い国が次のターゲットです。
クリスメラは、女性が働きやすい会社を目指しています。4人のプロフェッショナル(経営・営業・管理・企画)が会社のミニマムサイズだと考えています。子育てしながら働きたいと思っているので神楽坂あたりの一軒屋をオフィスに1階はオフィス、2階で子供たちがバタバタ走っているような会社にするのが夢ですね。