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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

シンガポールで「踏み出す人」を応援!
Interview vol.39【前編】

シンガポールで「踏み出す人」を応援!

プライムサーチインターナショナル  川村千秋さん

http://www.prime-business.biz/

1963年 静岡県生まれ。高校時代に米国へ交換留学後、明治大学政経学部卒業後、東京にて外資系投資銀行に9年間勤務。1996年にシンガポール移住し、シンガポールに本社を置く医療サービス会社にてアジア太平洋地区9ヶ国のマーケティングに従事した後、アジア最大規模のヘッドハンティング会社HRネットワンに入社。リージョナルディレクターとしてシンガポール本社に3年半勤務した後、同社の東京支社に2年間勤務。日本および欧米企業の管理職ポジションの採用を専門に手掛ける。 2006年11月、シンガポールにてプライムサーチインターナショナルを設立。

シンガポールで「踏み出す人」を応援!

異文化の中で20年のキャリアを積み、2006年にシンガポールを中心とする人材サーチ会社を設立した川村千秋さん。自身が直接厳選した人材を紹介するブティック形式を採り、質の高い人材紹介を行う彼女には、「踏み出す人」を応援したいという信念に溢れていた。 前編の今回は、プライムサーチの強みについて、シンガポールのビジネス環境も含めて伺った。

シンガポールを拠点にブティック型の人材サーチ業を2006年に設立。

日本・シンガポールを合わせて3社、20年近くのキャリアを積み、シンガポールで人材サーチ会社プライムインターナショナルを2006年に設立しました。クライアントは、ジャパンビジネスがらみが多いですね。7割は日系のシンガポール進出企業、残りは欧米系グローバル企業です。インターネット経由での登録に加えて就業中の方々にもお声をかけていく人材掘り起こしも行っています。日本の提携先からも人材提供がありますので少なくとも3ヶ月に一度は日本に出かけ面談も行っています。
弊社の特徴は、採用に至る確率が非常に高いこと。企業側のニーズを聞き出し採用のスペックを固めるコンサルティングと人材の提案を一人で完結しています。弊社はブティック形式なんです。ブティックは、百貨店の対義語ですね。百貨店の良さは、色々な商品を集めていること。組織体制が大きく分業制が敷かれているため多くの人材を提供することは可能ですが、マッチングの精度が落ちがち。弊社は、企業のコンサルテーションに私が直接出向きマッチする人材だけを紹介する、まさに自ら買い付け並べたいものしか並べない。自分が厳選した商品だけを紹介する、そんな誇りを持ってブティック形式と言ってます。もし社員を増やすならば私と同等のキャリアを持つ人材とパートナーシップを組んで行いますね。少ない人数で何百の案件を担当することはできませんから必然的に質を優先し、それに見合う案件を受けていくことになります。

エグゼクティブとサービスのスペシャリストが強み。

現在、マネジメント部門とスペシャリスト部門の2部門を得意としており、企業に適した人材を紹介しています。マネジメント部門では、新聞の採用広告では出てこないような案件や人材が中心です。当社にしかいない人材は相当数いると自負しています。アジア地域の地域統括を行える人材や部門長、マネージャー、など即戦力になる35-45歳くらいを中心に必要スキルや経験を明確にし的確に紹介しております。場合によっては弊社から直接、対象となる方を探して転職を持ちかけることもあります。
2部門目は、ホテルやレストランなど、サービスのスペシャリスト人材です。シンガポールは現在観光に非常に力を入れており、2010年には、カジノがセントーサ島とマリーナ地区に2件完成予定です。ホテル・サービス業の進出が非常に盛んな為、設立前の1年は準備期間として、サービス関連の人材の開拓を日本で行いスペシャリスト部門の下地づくりも行いました。具体的には、ホテルのディレクターレベルやレストランの料理長クラスなどです。シンガポールは、モダンな街とリゾートが共存しています。最近ではシンガポールと周辺リゾート両方を楽しむ日本人旅行者も増えているようです。

シンガポールのビジネス環境と金融危機の影響。

ビジネス環境では、昨年のサブプライム問題からの1年はカジノ建設などで内需がしっかりしていた為、シンガポールのマーケットは影響が少なかったです。今年9月のリーマンブラザーズ破綻から一気にマイナス面が表面化しました。欧米の外資に支えられた街ですから。採用の凍結、転職に慎重になるので人材も動きにくいという冬の時代です。消費も落ち込みますし全てにおいて反応が速いのがシンガポールです。貿易も9月にガタっと落ち込んだそうです。
一方、住宅環境はよくなりそうです。ここ数年住宅価格の高騰が異常でしたが、下落傾向。弊社は金融街の中心に位置していますが、来年から賃料を30%ほどダウンする契約を取り付けたところです。私にとって経済不況は3度目です。日本ではバブル崩壊、96年シンガポールに移住後も、97-8年のアジアの通貨危機や2003年のSARSと困難を経験しています。脇はしめていますが、シンガポールは政府の方針も金融システムもしっかりしているので渦に巻き込まれて消えてしまうようなマーケットではありません。上手に乗り越えていきたいと思います。

シンガポールは真のダイバーシティ国。

シンガポールでビジネスマンとして生き抜くポイントについてもお話します。就業の上で基本的に民族差別がありません。仕事の上でも欧米系企業の責任者などは様々な人種がおり、気にしたことがない。ダイバーシティ(多様な人材が活躍する環境)という観点では、シンガポールは発達している国です。もともと人口400万人強で大規模国家ではありません。シンガポール政府は経済発展が最優先であり、天然資源のないこの国では人材こそが資源です。周辺諸国では、民族間の対立や特定民族の優遇政策など民族対立が経済発展の足かせになっていますが、シンガポールではそういうことはないですね。
ダイバーシティ文化の中で、日本人が生きていこうと思うともっと「自立意識」が大切だと思います。海外の方は皆さんハングリーですから。日本の豊かさがグローバル社会では弊害になっています。日本人は大学進学が通常の家庭で容易ですが、海外の方は大学進学の為に働いている人がたくさんいます。つまり若い頃から自分の欲しいものは自分でつかむ意識があるのです。日本人の良さはやはり仕事の丁寧さと責任感ですが、シンガポールの人も自分の仕事能力を証明するため必死ですから。ここの人は小学校から激しい競争社会で生き抜いてきてますから、日本人もきっちり自分の存在意義をアピールしていくべきだと思います。