fbpx

女性社長.net

  • メール
  • facebook
  • twitter
  • Ameba

限定情報をメルマガで定期入手!

女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

大手メーカーでの社内ベンチャー担当が転機。
Interview vol.24

大手メーカーでの社内ベンチャー担当が転機。

株式会社シンクキューブ 渡部 亜希子さん

NEC入社後、社内ベンチャーにてキャリアデザインサポートサービス・女性向けコミュニティサイトの企画、運営を行うリッチピクチャーズ(株)を設立。 2002年よりNTS教育研究所(日能研子会社)副所長などを歴任し、子ども向けワークショップの企画開発を実施。 2005年シンクキューブ設立。現在に至る。

大手メーカーでの社内ベンチャー担当が転機。

現在、注目されている5歳児マーケット。「キッズファミリー」に特化したマーケティングを行う株式会社シンクキューブ。大手企業からベンチャーを経て起業した渡部社長だが、実は社会人2年目に転機があったとのこと。唯一無二のマーケットを構築し、現在のサービスに至るまでの道のりについて語っていただいた。

人生は比較的順調に進むもの、と思っていました。

私が就職するときは、ちょうどバブル崩壊直後。ゼロから何かを生み出す「ものづくり」に興味があったのでメーカーに絞って就職活動を行いました。まだバブルの残り香があり、比較的順調にNECに就職しました。入社後も希望通り!マーケティングから商品開発を行う部署に配属。若手にして大プロジェクトを任され、それなりに頑張っていました。私は比較的器用なタイプなので、マーケティング畑で順調にキャリアを積ませてもらいました。社歴2年目のある日、NECの社内ベンチャー事務局を任されたんです。社内ベンチャー公募に参加していた先輩と飲んだ際、割り箸を目の前で割って見せられ「夢をもって頑張っている人とそうでない人では、数年後この割り箸みたいに力の差がついている」と言われました。実際、応募してきた社員の方々は自分とは一味違うことに焦りを感じていたんです。夢を持って必死でやっている社員の方々が輝くように見えたんですね。正直、焦りました。「自分はやりたいことが見えていない」と。また当時30階フロアで働いていたのですが、外部パートナーさんが、「30階からみたら霧に見えるだろう。実は下は雨なんだぞ」と。上からものを見ていても分からない、って諭されたんですね。

「自分の夢は何?」という疑問からキャリアデザインの分野に興味を抱く。

以来「自分の夢はなんだろう」と真剣に考え始めました。模索の毎日。英語を勉強したり、中小企業診断士の資格にチャレンジしたり。でもなかなか情熱が続かない。そこで、自分のように「キャリアの組み立て方」に悩んでいる人はたくさんいるだろうと考えました。「キャリアデザイン」自体の事業化をテーマに今度は私が社内ベンチャー制度に応募をし、社内ベンチャーとしてサービス構築を数年進めました。しかし大人は変化が遅い。とにかくヤキモキしましたね。もっと本質的で早期的なキャリアデザインは?と考え、ターゲットをキッズ(子ども)に変更しました。このテーマ設定が今の会社につながっています。その後、日能研の関連会社に転職。もちろん「子供の教育」がテーマです。大手企業のリソースを活用して子供たちに「将来やりたいこと」をイメージするプログラム提供しました。たとえば、本田技研工業の「HONDA発見・体験学習」など。優良企業の積み重ねた技術やノウハウを子ども向けにアレンジして体感してもらうんです。大人の背中を見せて子供が成長する。そんなことを目指していました。
NEC時代の経験ではマーケティングのスペシャリストに。日能研では、イベントやワークショップの構築でいかに子どもに楽しんでもらえるか。自分なりのノウハウを得ることができました。

5歳児マーケットを知り尽くした強み、キッズファミリーマーケティング。

最終的に、自分がやりたいことも見え、経験も積めたことから2005年にシンクキューブを設立しました。もちろんテーマは、「キッズ」。子どもを中心としたファミリーのマーケティングです。実は5歳児マーケットは非常に注目されています。それは物心がついて自分の意思を持ちはじめる時期だから。弊社の強みは、幼稚園・小学校とのパイプが強く集客ができること。また、体感型のイベントで生の声を吸い上げられることです。現在は、「孫伝(まごでん)」と「お子*サン」というサイト運営もしています。幼稚園とのネットワークを活かし、エリアごとに2~8歳位のお子様とそのご家族を、例えば1イベントで200ファミリー(300人)近く集まってもらうことができます。最近の親世代は調査慣れをしている方が多いですが、うちは調査慣れをしていない素人ママと子供たちが多いのが特徴です。
また、「孫伝」というシニアと孫のコミュニケーションを考えるサイトも運営しているため、3世代を同時に集めることもできます。子供を機軸とした大人のかかわりを考える「キッズファミリーマーケティング」。この分野なら「シンクキューブ」というポジションを確立していきたいです。

キッズファミリーマーケティングのよさ。

5歳くらいから物心がつく、という話をしましたが、要はその時から企業の競争が始まっているんです。幼少時から親しんでいるブランドにすることで大人になっても使い続けてくれる。そんなブランディングにも役立ちます。現在は、食・住宅・学習・体づくりに関連する企業様からの依頼が非常に多いです。実は、2~8歳くらいの親子は行動範囲が限られます。エリアごとに環境もまったく違うのですが、それぞれエリアごとに親子を集められるネットワーク力があり、さらに子供たちを退屈させず、お母さんたちにも楽しんでもらえるプログラム作りもできます。この二つは企業秘密です。子供は素直だから嘘をつかないし、親も子供と参加できる楽しいイベントで率直な感想を出してくれるところがクライアント企業の皆様から好評を得ています。
20代前半で、自分を振り返ったり悩んだ時期を経て、その後経験を積んできたからこそ今の事業につながっています。長い道のりですが、これから「お子*サン」サイトが本格始動します。「お子*サン」はお子様マーケットに対するサンプリングという意味です。小さい子供を持つ25~40歳くらいの母親の方々に興味深い情報提供をしていくことで、子どもとのコミュニケーションを楽しんでもらいたいと思っています。