家業の倒産を機に、16歳で高校生と2足のわらじで個人事業主として仕事をスタート。 一度バス会社に就職するが、1999年に退職し、スチュワーデス専門学院に入学。卒業後、公共機関などにて新入社員へのサービスマナーなどの講師を務める。それと並行してウェディング事業を個人として開始し2001年法人化。 その後、出産を経験し育児をしながら女性経営者として各地で講師を務める。現在は6社を立ち上げ、うち4社の代表を務めている。
20代ですでに6社を立ち上げたママ実業家
鹿児島を拠点に10代から活躍している女性経営者、株式会社ドゥーイットの本部（もとべ）社長。 20代にして事業歴13年。出産・子育てを経験しながら6社を立ち上げ、現在は５冊の出版を控えている。意欲的に事業展開を続ける本部さんの事業を始めたきっかけと事業運営のヒント聞いてきた。
小さい頃から継ぐと思っていた家業が16歳で倒産。
すべては家業の倒産がきっかけです。16歳から働き始め、28歳の今も経営者として頑張っていますが、もともと代々営業している雑貨屋を継ぐと小さい頃から自然に考えていました。兄弟はいますが、経営の素質を持っていたのは長女の私。実際、親からも「おこづかいが欲しければ働け！」という教育を受け。50円のおこづかいも働いたご褒美。お金を稼ぐことは小さい頃から親に教えられていました。
ところが高校生になったある日、16歳で家業が倒産したんです。正直呆然としている間もなく借金返済のために働き始めました。これが私の仕事人生のスタートです。昼は高校生。学校が終わったら仕事人。そんな高校生めずらしいですよね。とにかく稼がなければいけない。だから制服を脱いで夜はスーツに着替え自転車で営業。数年借金返済と家計を助けるため、がむしゃらに働きました。返済の目処がついたので高校卒業後は昔からやってみたかったバスガイドとして一旦就職しました。結局はサラリーマンが水に合わず21歳で再度独立（笑）。21歳でウェディングプランニングを核に個人事業として始め、事業を拡大し、現在は年商4億近くの会社になっています。
お金に支配された20代前半。スピード重視で事業拡大
20代前半は、稼いでいたけれど目先の利益にとらわれてすごく忙しかった。月収数百万円。とにかく働いて事業拡大一辺倒。お金使いも非常に荒かった。欲しい物は全て買っていました。子どもが産まれた25歳の時も産休は1ヶ月のみ。実際は1ヶ月も取る予定ではなかったんですが、臨月まで働きすぎで結果的に強制入院。帝王切開をしたんですが、商工会議所の講演予定が入っていたのですぐ退院後翌日には出張でした。経営者として、とにかく稼ぐことで頭が一杯でした。新会社を立ち上げたり、突貫工事で事業拡大をするため走り続けてきましたが、「このままでは、一発屋になってしまう。」とふと思ったんです。
将来的に、文化人として本を出版したい、などビジョンを持っていましたがこのままでは将来のビジョンにつながらない。そう思って、短期的収益よりも長期的に事業を育てていくことにシフトすることにしました。お金に支配された日々からの脱出。やりたいと思ったことに注力するため会社整理を 27歳から始めました。現在は2社を他の人に任せて、ウェディング事業に関連する4社を自分の直轄で見ています。
社長としてやっていることは３つ。
私が必ずやっていることは、未来図を描くこと、メンターをたくさん持つこと、どんどん人に任せること。
私は14歳のころから将来やりたいことを紙に書いています。19歳から毎年きっちりと未来図を元旦に書くことにしています。19歳から60歳まで、1歳刻みで細かく、自分がどうなっていたいかを書いて、金庫に保管。元旦には昨年書いた紙を、実現したかチェックし、できたこと、できなかったことを検証しています。是非やってください。だいたい書いたことは実現しています。ちゃんと戦術も練ってくださいね。紙に書くこと、戦略を練ることは非常に重要です。また困った時はメンターに相談してください。私にとってのメンターは自分がそれぞれの分野で目指している人です。私にはメンターがたくさんいます。プライベートのすごし方で尊敬している人、一般消費者のニーズをよく知っている人、部下育成に強い人など。困った時、それぞれの分野に強い人たちに相談をしています。完璧な人はいないんです。だから最後に言いたいことは、自分で全部やろうとしないということ。人には得意不得意があります。女性経営者は人に任せるのが下手な人が多い。鬼退治にいった桃太郎だってそうなんです。犬、猿、雉のチームで戦ってやっと鬼退治ができる。そう思って事業も運営していくといいと思います。
未来図をどんどん実現。子どもとともに成長！
今年は未来図に書いたことがまたひとつ叶いました。10月末から続々と本が出版されます。まずは、10月末に私の履歴のダイジェスト版となるインタビュー本「プライドワーク」。11月末には著書第一号となる「社長は16歳」。来年にも数冊の出版が決定しています。事業面では、７年培ってきたウェディングプランニングのノウハウをシステム化し今年からFC展開もはじめました。現在は九州を中心に加盟していただいていますが、全国から100件以上のお問い合わせを頂戴しています。今後はウェディングプランニング「ファーストシーン」の名が全国区になっていくのが楽しみです。
忙しい日々をすごしていますが、プライベートでは、読書がほっとする瞬間。月 10 冊以上読んでいます。たくさん本を読むからこそ、何度も読み返したくなる本に出会える。疲れたとき読んだら元気になれる本が見つかるといいですね。子育てと経営の両立は非常に大変ですが、忙しくても毎日子どもに「愛してるよ～」と言っています。そして、子どもに「ママ」と言われるとき、幸せを感じます。忙しい毎日ですが、子どもと温泉に行ったりしています。鹿児島は温泉天国なので、自宅から 10 分ほどのところに温泉があるんです。現在 29 歳。未来図を実現していくため 60 歳まで頑張っていきたいと思います。