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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

健康に楽しくがモットー。<br/>人とのふれあいを大切に<br/>自分の人生を生きる
Interview vol.101

健康に楽しくがモットー。
人とのふれあいを大切に
自分の人生を生きる

オー・リーブ・ジャパン株式会社 工藤亜由美さん

1966年福岡県生まれ。主に外資系化粧品会社(シャネル、エスティ・ローダー、エイボン・プロダクツ)で、スキンケア商品の開発とマーケティングに15年以上従事。46歳の時自分の人生を生きたいと思い退職。スペイングラナダ産で日本では他に手に入らない品種のオーガニックオリーブオイルの販売を始める。現在は同じくスペイン産のオーガニックのクリーム蜂蜜や、自身のアトピー性皮膚炎の悩みから弱い肌のための化粧水も自社開発し、発売。健康に楽しく生きていくことをテーマに事業を展開している。

健康に楽しくがモットー。人とのふれあいを大切に自分の人生を生きる

スペイン グラナダ産オリーブオイルの販売を主軸に、クリーム蜂蜜や化粧水など、健康に楽しく生きることをコンセプトに事業展開する工藤さん。起業に至るまでには長い会社員時代の苦労があった。今回はグラナダ産オリーブオイルの特徴から、人とのつながりがきっかけで始めた取り組み、今後の目標など、様々なお話を伺った。

「自分の人生を生きよう」と起業。スペインで出会ったオリーブオイル

「思えば何をすべきか探していた人生だった」という工藤さん。やりたいことを探して9回の転職、海外での一人暮らしも経験したが、何も見つからなかった。たまたま参加した異業種交流会でテレビ取材を受けたことがきっかけで、オーダーメイドのウエディングドレスの会社を立ち上げたこともあるが、出資者との方針の食い違いから半年で頓挫。最後に勤めた外資系企業では、日本法人化する過程で人のエゴの怖さを思い知る。部下がいて、裁量権を持って働くことができていても、「何か違う」「自分のやるべきことはこれじゃない」と感じていた会社員時代だった。
起業は自分の人生を生きようと決意した結果。理屈で判断ぜずリラックスした状態で本当に自分がやりたいことを考えた時、心から信頼できる人と仕事をしたいと思った。まずは会社員を辞め何をしようか考える過程で、会社員時代に新商品開発の視察で行ったスペインの雄大なオリーブオイル農園と視察のコーディネーターを思い出す。思いのままにそのコーディネーターに相談し、日本ではまだ誰も扱っていないスペイングラナダ地域のオリーブオイルの輸入販売を開始。人に合わせるのはもうやめようと決意しての起業だった。

コンセプトは“健康に楽しく”オリーブオイルと蜂蜜、海外展開も視野に入れた化粧水

工藤さんが販売するスペイングラナダ地域のエコロマールシオ エキストラバージンオリーブオイル(以下ルシオ)は、ベリー系のフルーティーな香りと味がする。お料理にはもちろん、バニラアイスやあんこにかけたり、サラッとしているので大さじ一杯そのまま飲んで健康管理にもおすすめ。お客様の多くは健康志向の40代から70代の女性。健康のためにオリーブオイルを日常使用している人々が、その味と香りに惹かれてルシオにチェンジしてくれた。売れ行きは予想を超え、1年目で輸入の最小ロットである1パレット720本を売り切ったという。
商品はオリーブオイル以外にも。スペイン産の「ユーカリ蜂蜜」は呼吸器によいとされ、喘息が楽になったお客様もいる。食以外でも自身のアトピー性皮膚炎の悩みから化粧水「SUMI」を開発。会社員時代の化粧品開発経験で「多くの使用アイテムは不要」と感じていた工藤さんは、防腐剤なし・自然成分のみ使用で安全性にも配慮した、1本でスキンケアが完結する化粧水を生み出した。仲間の女性開発者がフランスの学会で発表すると、美肌を保つため肌に元来存在するよい菌を育てる効果に関心が寄せられ、来年にはフランスでも販売の可能性があるとのこと。「健康で楽しく過ごせるように」というコンセプトのもと、厳選された商品を取り扱っている。

お客様も友人も、直接のふれあいが大切。多くの信頼できるパートナーも

工藤さんが大切にするのはお客様との触れ合い。オリーブオイルは店頭に卸しても差別化が難しいため、味の違いをじっくり楽しむテイスティングセミナーや直接質問に答えられるマルシェ出店を積極的に行う。ネット販売も行うが、月数回のセミナーや月2回の六本木ヒルズマルシェ出店が新規顧客のために有効。セミナーは毎月テーマやコラボ相手を変える。フレーバーソルト専門の方や、沖縄でスムージー講座を開催する方などと共同でイベントを行い、健康をテーマに様々な切り口でお客様を広げてきた。セミナーやマルシェを通じて味を知り感動した方が口コミで広めてくれることも多い。
販売当初は「ありとあらゆる知り合いに宣伝した」という工藤さん。1年目から予想を上回る売り上げを達成できたのは知人の応援のおかげだと言う。セミナー会場は知人が持つスペースを借り、ヒルズマルシェや数件卸しているレストランも、苦手ながら営業を頑張る工藤さんのためと、知人の紹介で決定したそう。工藤さんの一生懸命さが多くの人の心を動かした。
現在従業員はいないが、セミナー共同開催者など信頼できるパートナーが大勢いる。人との関わり方でのモットーは「誘われたら断らない」こと。1人でも知人がいれば集まりに顔を出し、その行動力が新しい出会いにもつながっている。

スペインへの想いを胸に。自分の人生を生きて着実に飛躍

現地スペインへの愛も忘れない。言葉は話せないが、メールで送ってもらったオリーブオイル農園の写真を定期的に自社のFacebookページで発信。現地農家とのコミュニケーションを欠かさない。昨年は生産農家へのツアーも開催。はるばるやって来た工藤さんたちの様子は地元グラナダ新聞に掲載され、日本にも市場があると農家さんからも期待大。今年も11月にツアーを実施予定だ。
今後は輸入販売だけでなく、ドレッシングやデザートソースなどのオリジナル商品を作りたい。また、女性個人事業主が多く強固なネットワークがある地元国立市で、ビジネス支援をする女性が主催するマルシェ出店や、自宅を改装した試食や試飲ができるショップ営業を週1ペースで開始した。事業を通じて新たな繋がりを生み出すのも目標。「オリーブオイル」というキーワードを通じ価値観の似た人が集まるセミナーで、これまで以上に参加者同士の仲を深めていきたい。そして、特に40~50代の不本意に働いている女性に、「自分の人生を生きる」ことを伝えたいと願う。まあるく楽しく、生きていく。社名オー(O)・リーブ(Live)・ジャパンに込められた思いを大切に活動する工藤さんに、今後も注目だ。