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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

すべては「笑顔を増やしたい!」から。<br/>Webを駆使し、子どもたちに<br/>かわいい洋服を届ける。
Interview vol.106

すべては「笑顔を増やしたい!」から。
Webを駆使し、子どもたちに
かわいい洋服を届ける。

ひよこ屋 岩倉 絹枝さん

http://www.hiyokoya.com/

1977年生。大学卒業後、会社員として2年スーパーでのバイヤー見習い、設計事務所で設計の仕事7年勤める。第二子の入退院と病気との闘いを経験し自然と「病気の母親の笑顔が増えること!」を人生のテーマに。2012年にユニバーサルデザインの子供服を扱う「ひよこ屋」としてネットショップを開店。岐阜県育ち、滋賀県で起業。コーワーキングスペース「ROOT」の住人。一男一女の母。

すべては「笑顔を増やしたい!」から。Webを駆使し、子どもたちにかわいい洋服を届ける。

ユニバーサルデザインの洋服を取り扱う、滋賀県守山市のひよこ屋代表・岩倉絹枝さん。 「笑顔を増やしたい!」と思うきっかけや、Twitterから始まったという起業準備。 購入してくださるお客様への想いなど、世界中を笑顔にするべく、軽やかに働く岩倉さんの姿を取材した。

起業の入口は、「入院する子を持つ母親の笑顔を増やしたい」想いから。

ユニバーサルデザインの子供服を扱う、滋賀のネットショッピング「ひよこ屋」を営む岩倉絹枝さん。起業の入口は、土木関連の設計事務所でCADを使い業務で忙しいなか、第二子が出産後1年半で6回もの入退院を経験したこと。点滴で手が抜けず洋服の着替えも難しく、おむついじりが大変そうなわが子を見るのはつらい。病室で不安を抱え自らも寝不足に。病気に立ち向かう気力も失う環境だ。だからこそ「同じような人たちに、少しでも介助が楽になり笑顔が増えることをしたい」と自然と思い至った。

気晴らしにと通勤途中に始めたTwitterも転機に。最初はフローレンスの駒崎さんや有名人の呟きを眺めつつ、「消毒用のポンプをデコったらかわいい?!」など、子どもの病気は治せなくとも自分にもできるアイデアを日々呟いていた。するとTwitterでフォローし合う面識がない女性から「洋服だったらデザインしますよ(^^)」と反応が。この言葉がひよこ屋スタートのきっかけだ。リプライしたのは、埼玉の女性社長でマタニティウェアのデザイナーの林 紗矢香さん。現在ひよこ屋のデザイナーも務めている。直感でこの人なら大丈夫!と思い、「どんな商品が作りたいのか」ビジョンを共有しデザインを依頼。WEBで打合せを重ね、あの呟きから1年で洋服のサンプル完成にたどり着いた。2年後、ネットショップでの販売がスタート。ここまでで林さんと岩倉さんが実際に会ったのは販売開始直前のみだ。

ひよこ屋 岩倉 絹枝

「かわいい!」商品たちが、お母さんに笑顔を増やす。

ひよこ屋のお買い物にはストーリーがある。現在、林さんデザインの商品は男女2種類3サイズのパジャマ。その他は岩倉さんが海外から仕入れた商品たちだ。ひよこ屋最初のお客様は、パジャマを購入。知的ハンデのある子は、つい気持ち悪さからおむついじりをしてしまう。親は介助負担が多く精神的に追い込まれることも。身近にユーザーがいない為、最初はニーズがあるのか分からなかった商品だが、探しに探してたどり着いてくれたというお客様がとても嬉しかった。ひよこ屋の商品はおむついじりも減り、着替えやすさも重視。現実的に介助負担を減らすことができる。入院中は悪いことを考え心が沈みがちだが、看護婦さんに洋服を「かわいいですね!」と言ってもらえる。お母さんの笑顔が増えると岩倉さんは感じている。ひよこ屋の商品を着る子どもの写真をブログにアップしてくれるお客様も多数いる。嬉しい一方で、ひよこ屋オリジナル商品が売れたときの岩倉さんの思いは複雑だ。もちろん嬉しいが、自分のように切ない思いをしているお客様がいることを思い出す。ただ、一瞬でも笑顔に変え、その笑顔の点が線につなげられるようにしたい。同じ思いの人がいなくなればと願う。

今年は念願の新商品の提供もできた。超未熟児ちゃん・天使ちゃん用セレモニードレス。450g~のスモールベビーの特別な日のための特別な1着だ。2015年の一つの大きな目標としていたが、1月に早々に販売開始することができた。

ひよこ屋 岩倉 絹枝

会社にいながら起業準備!会社員経験は起業の土台

Twitterをきっかけにスタートしたひよこ屋は、構想から準備含め販売開始まで約2年。その間も会社に勤めていた岩倉さん。橋や高速道路の継ぎ目部分の設計という自由度高く責任ある仕事を任され、出産、育児、子供の入退院を経験しながら仕事もこなした。理解ある会社にはとても助けられたという。そして会社員生活を続けつつ、土日はひよこ屋の洋服デザイン、ネットショップの打合せ、服の仕入れ作業を進めた。実際は、二人の子どもの世話もあり土日すべては使えず、両立は難しかったという。1年がたつ頃、「高校は3年で卒業」くらいの自然な感覚で、立ち上げたひよこ屋に専念しようと会社を退職。夫も「いいんじゃない?」と応援。逆に驚いたのが、数か月後「滋賀の会社に転職する」と突然言われたこと。岐阜から引っ越して、ショップオープンは半年延びた。実店舗だったら頓挫していたかも。2-30万かけネットショップを準備したことが功を奏した。

会社員時代の経験はすべてに活きているという岩倉さん。スーパーのバイヤー経験があったからこそ、商品の見つけ方から値付けまで直感で決められる。7年の設計経験は、Excel,Wordの使い方はもちろん。工程組み・スケジュール管理、見積作成、そして後輩育成の仕方、経営者目線を培うのに役立っている。つらい時期も働き続け多くを学んだからこそ、起業に活きるスキルを獲得している。

もっと笑顔を。5年後には商品数3倍に!ユニバーサルデザイン服を広げたい。

ショップ開店から2年。起業したから出会えた人や出来事ばかりで、とにかく楽しい!と答える岩倉さん。現在のオフィスは、滋賀県守山市にあるイノベーターのトキワ荘「Root」(コーワーキングスペース)だ。Rootは、岩倉さんにとって外界との接点。共感できる仲間が集う場だから心地よく仕事ができ共に仕事をすることも。2児の母として、プライベートでは「あきらめること」を大切にしている。子供が「味噌汁をストローで飲みたい!」「ピーマン食べたくない」と言っても「どうぞどうぞ」と。イライラするより楽しく、がモットーだ。とにかく理想は「世界中の子供の笑顔を増やす」こと。 最近も、ひよこ屋の利益の一部でささやかながら、ドナルドマクドナルドハウスにトイレットペーパーを寄付。お買い物をしていて見つけたかわいいトイレットペーパー。実際にマクドナルドハウスからお礼の連絡がきて子どもたちが喜んでくれたという。そして、今年の目標は、世界一のクリスマスカードを作ること。お客様に笑顔になってもらえるショップカードがつくれないか、と年初からスタッフと企んでいる。5年後の目標は現在の商品点数を3倍にすること。将来的には子供だけでなくシニアの介護服も扱い、ユニバーサルデザイン服が当たり前となることを目指している。世界中に笑顔を増やしたいと、軽やかに活躍する岩倉さんに是非ご注目を。

ひよこ屋 岩倉 絹枝