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識者に聞く! リーダーの資質は「愛嬌」と「運」 <後編>
Vol.2
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東京大学 社会科学研究所 教授 玄田有史先生
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PROFILE |
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玄田 有史
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東京大学 社会科学研究所
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教授
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1964年生まれ。東京大学経済学部卒業。
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学習院大学経済学部教授などを経て、2002年東京大学へ。経済学博士。専門は労働経済学。現在、 「希望学」の研究を行っている。
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近著
「希望学」(中公新書ラクレ)
「ニートーフリーターでもなく失業者でもなく」(幻冬社)
「仕事とセックスのあいだ」(朝日新聞出版局)
「フリーエージェント社会の到来」(ダニエル・ピンク著、玄田有史解説:ダイヤモンド社)
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■リンク
・玄田先生のブログ「玄田ラジオ」
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希望がないと失望も出来ないんだよね
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前回に引き続き、東京大学教授玄田先生のお話。 分厚い専門書に並んで「働きマン」や「鉄コン筋クリート」などのマンガも並んでいる先生の研究室。 ゆったりとした独特の空気感の中、今回は、リーダー論、そして、先生の研究テーマである「希望」についても語って頂きました。
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ポイントは「愛嬌」と「運」
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以前、松下政経塾の元塾頭さんに「どうやったら松下政経塾に入れるのか」と聞いたところ、面白いことをいっていた。 入塾の合否は、面接で判断。そのときに見るのは二つ。「愛嬌があること」と「運が強そうなこと」。 この2つは、社長や経営者の条件を非常に上手く表していると思う。愛嬌の方は、何となく分かるけど、もう1つの「運が強そう」というのが面白い。「運が強い」かどうかではなく、「運が強そう」なことが大事なのだ。
僕の解釈では、これは、自分がダメ人間という自覚がある、ということ。自分がダメだという自覚があると、素直に人に助けを求めることができる。色々な人のサポートがあると、結果として、自分一人ではできないことが成し遂げられる。そういう人が、「運が強そう」に見えるんじゃないかな。 オックスフォードなどの大学では、リーダー教育として、いかに下手に喋るかということを学ぶ。爽やかなトークや素敵なパワーポイントは、その時は感心するけれども、後に何も残らない。本当に人を惹き付ける人は、どこか不器用だったりする。
ダメ人間で、喋りが下手で、自信なさげだけれども、「大切にしたいこと」があって、そこについてだけは正直で妥協しない。これがリーダーの資質だと思う。
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待って、思い切る
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「待つ」ことは、社長の大事な仕事の1つ。今の社会は、待たなくてもいい世の中になっているから、みんな待つことが苦手。パソコンなんかでも少し遅くなるとすぐ「カッカッカッカ」ってクリックする。そこで、社長がどれだけじっくり待てるか。どれだけチャンスを待てるか。 ある社長と一緒に人を待っていた時、僕が「イライラするね」って言ったら、「イライラなんてしない。待ってる方が有利なんだから、待つのはチャンス。」と言っていた。待つことの効用がちゃんと分かっている社長は、すごい。 「思い切る」ことも、社長の大事な資質。 社長は、常に最悪の事態を想定して、それに備えなくちゃいけない。そしてやれるだけのことをやる。でも、最後の最後は、何も考えずに開き直る。ある段階まではしっかり迷うけど、その先はくよくよせずに自信持って進む。これができる人には、社長ほどいいものはない。
ある社長に、「社長の何が一番いいか」と聞いたら、「社長がいちばん楽だ」と答えが返ってきた。「会社をはじめた頃は、自分が社長なんかつとまるかどうか不安だったけど、結局、最後の最後は、全部社長が自分で決められるから、一番楽な気がする」と。これは、なかなかやるなと思った。 待って、思い切る。妥協せず、意固地にならず。矛盾のようにも思えるけど、このバランス感覚の中で、たまに、損だと分かっているのに、おもしろそうだから何かをしちゃったりしながら、でも、「ここだけは」という価値観はゆるがない。こんなところに、社長の醍醐味があるんじゃないかな。
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社長業を楽しむスパイス
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社長には、「希望」を持って、ビジネスをしてほしい。そのためにも、是非「失望」してください。そもそも、希望がないところには失望もないんだけど、失望して初めてみえる希望がある。失望することは本当に大切。幸い、大体みんな挫折を味わう。その挫折経験が、いずれ物をいう。挫折したことのある女性社長って、色気があってかっこいいと思うよ。
あと、お勧めしたいのは、「3つ目の場所」を作ること。社長業に必要なものは、愛嬌と、出会いと、「遊び」じゃないかな。仕事と、個人生活と、二つだとなかなか上手く行かない。でも、3つ目の場所を持つと、不思議と仕事も個人生活もうまくいく。3つ目の場所は、友人だったり、趣味だったり、飲み屋だったり、何でもいい。3つの場所でゆるゆると生きてみるのもいいんじゃないかな。 (取材:横田響子・下向智子・萩原雄太)
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【編集後記】
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リーダー論は、大会社の社長だけではなく、個人経営者にも共通するテーマ。ということで、応援メッセージを聞きながら、大いに励まされました。「ゆるゆる」感も大切にしながら、それぞれが自分サイズで事業運営できるのが代表者の醍醐味ではないでしょうか。
これから、多種多様なスタイルを持つ素敵な女性経営者の皆様を取材していきます。ご期待ください。 (横田響子)
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