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編集記事

【女性社長.net企画の編集記事】 識者・女性社長インタビューや女性社長のおすすめ商品など。

編集記事2010.10.21 (木)

デル 信じる道をいこう「Take Your Own Path」協賛
「日経ビジネスイノベーションフォーラム」レポート

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日経ビジネスイノベーションフォーラム
【日時】 2010年10月18日(月)
【時間】 13:00~16:40
【場所】 日経ホール
ウェブで動画が見られます。こちらをクリック!

「成長企業に共通する、価値創造型イノベーション経営とは」

10月18日13時、日経ホールにて、日経ビジネスイノベーションフォーラム「成長企業に共通する、価値創造型イノベーション経営とは」が開催された。月曜の午後という時間帯にも関わらず、500名の枠に1300名の応募があったという。開演前から列をつくる姿を見ると、不況に打ち勝つために、何か得るものが一つでもあれば、という切実な思いが感じられる。


モチベーションが経営の全て。
スモールビジネスだからこそ新たなことにチャレンジできる。

<基調講演 「中小・ベンチャー企業が日本を救う」
 一橋大学イノベーション研究センター長・教授 米倉 誠一郎氏>

フットワーク軽く舞台の上を練り歩き、時には客席に降り立ち聴衆に質問を投げかける形式で進んだ米倉氏の講演は、満場の聴衆を惹きつけるままに進んだ。講演というと演台から一歩も動かないイメージを持っていたため、その姿は新鮮に感じた。
 氏が日本の1番の問題点としてあげていたのは、「高度経済成長期以後、1人1人の付加価値があがっていない」ということ。「日本は、コストカットばかりを重視するのではなく、長期的な視点に立って考えることも重要。」また、こうも言っていた。「モチベーションが経営の全て。大企業が既存の価値観を否定することを恐れている間に、スモールビジネスは新たなことにチャレンジできる。」


ITはイノベーションへの最大のツール

 デル株式会社のオケイン氏から特別講演として「企業の成長と繁栄を実現するデルの新戦略」というテーマでお話をいただいた。
 若く温厚な物腰のオケイン氏。常に変革し続けるIT業界に身を置く氏は、「変革をチャンスと捉え、独自の技術で囲い込むのではなく、顧客第一主義の姿勢で、日本市場に向上したサービスを提供していく。」と語った。

<パネルディスカッション>
(第1部)「成長企業に共通する、価値創造型イノベーション経営とは」
ネット社会発達と多様性の貢献を目指す㈱クララオンライン家本氏。赤ちゃんを育てることが楽しく幸せだと思える社会形成」を掲げるベビー&TOY事業のコンビ㈱の松浦氏。ネット化する現在、第二の創業という意識の個人情報誌ぱどの㈱ぱど倉橋氏。
 全員に共通するのはIT化、グローバル化、少子化などめまぐるしく変わる環境に常にアンテナを張り、既存の観念にとらわれず新しい発想をし、実行し続けていく姿勢である。しかし、既存の様々なビジネス事例を活用していくことも大切とオケイン氏。
 次に人材活用について共通するのは、人材を大切にすること。「多様性を尊重し、企業と従業員は対等な関係であるべき」「顧客の意見を聞く企業は、従業員の声も聞く。」経営者だけで企業を動かしているのではない。そこで働く従業員をないがしろにした経営は、成長することはできない。

(第2部)「CEOとCIOが共に語る、新たな価値創造への旅」
ITはイノベーションへの最大のツールであり、各社のCEOとCIOが揃って参加した。両者のコミュニケーションが重要であることは言うまでもないが、㈱ぱどの倉橋氏が自らを小姑と称し予算や中身をチェックをしつつも、CIOの小林氏にIT業務全般を一任している姿を見ると、相互の強い信頼関係を感じた。
 「企業がイノベーションを起こすにあたって日本という環境に求めるものは?」というツイッターからの質問には、大企業優位の日本社会において、法規制のみ厳しくなり、身動きがとりにくい現状を打開するために、オープンであれ、という意見が多数を占めた。個人的には、外国との比較という視点でより議論が聞きたかった。


ベンチャービジネスの大家を囲んで座談会!

 米倉氏とそれを取り囲む5人の女性社長。米倉氏の親しみやすい人柄もあり、会談は終始、和やかなムードで行われた。30分という約束を大幅にオーバーしてしまったが、米倉氏は嫌な顔せず、熱心に耳を傾ける女性社長の問いに答えていた。
 当初、「社会貢献とは、売上をあげ、納税すること。1人1億円の売上を出さなければ、起業する意味がない。」と多数のベンチャー企業の存在を否定するかのような発言をした米倉氏であったが、横田のつっこみに押され、最終的には理解を示す発言も。また、米倉氏は、「学生を見ていても女性の方が柔軟な考えを持つことができ、イノベーティブである」との発言も。ただ、そこには、一般的に、特に男性の方が、型にはまらないことをしにくいといった日本の現状もあるのだと思う。
 理論で語る企業のあり方と、実際、経営者が考える企業のあり方では異なるものがあるであろう。企業の存在意義は納税など数字で表せることのみではない筈である。今回の会談が女性社長のみではなく、米倉氏にとっても有益であったと考えたい。異なる立場の者が異なる視点で意見交換する場を持つことは重要だと思う。

米倉氏の講演

         米倉氏の講演

座談会の様子

         座談会の様子


【取材を終えて】
過去の成功に頼り、既存のやり方を踏襲するだけでは、日本経済を立て直すことはできない。国においても企業においても、時代に対応した新たな発想が求められる。企業は、労働時間に比例して売上が伸びた過去の例にとらわれるのではなく、現在の「成長する企業のあり方」として、企業にとって宝である「人材」を、企業と対等な関係として尊重すべきである。国は、そうした企業がイノベーションを起こすために、自身が足かせとなってはいけない。企業規模に関わらず、パワフルな経営者、元気な企業に力を存分に発揮してもらうことができるよう、男性優位、大企業優位、年功序列など従来の日本を打破することが不可欠だ。  (筆・杉田屋 まりえ)