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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

「海外、イージーです。」<br/>日本企業の海外進出に対する心のハードルをなくしたい
Interview vol.114

「海外、イージーです。」
日本企業の海外進出に対する心のハードルをなくしたい

エイグローブ株式会社 小粥おさ美さん

www.aglobe.net/

オーストラリア・クイーンズランド州立大学院卒業後、大手自動車メーカーでの欧州進出プロジェクトに従事。その後独立し、企業向け翻訳通訳を始める。40歳で渡米し、ハーバード大学にて国際マーケティングを受講、最高成績であるAを修める。地方中小企業の海外輸出コンサルに特化したエイグローブ株式会社を2013年に設立。2019年には内閣府イベントにて地方大会を勝ち抜き女性起業家として日本一の最高賞を受賞。今まで、1,000件を超える企業からの相談を受け、多数の企業の海外進出を成功に導いている。

「海外、イージーです。」                       日本企業の海外進出に対する心のハードルをなくしたい

J300アワード(注1)受賞者のその後を追う、“J300アワード受賞者に聞く”インタビュー企画。全3回シリーズでお届けする第2弾として、中小企業の海外輸出支援を手掛ける小粥さんを取材。小粥さんは2017年プレミアムミニJ300 in 静岡に参加。その後J300アワードにノミネートされ、見事大賞を受賞した。海外進出という、コロナ禍では逆境とも思える業界を、絶妙なバランス感覚と柔軟さをもって駆け抜けた5年間を追った。                                                                                               ****                                                                                     (注1)個性的でコラボの可能性にあふれた女性起業家を表彰、応援するアワード。今年度も開催中。

成長戦略を見直し、原点回帰した5年間。静岡県から世界へ

2013年の法人化以降、エイグローブではこれまで一貫して地方の中小企業の海外進出支援を担っている。当初は、中小企業からのニーズに応えたいと始めた事業であるが、「企業にとっての見えない障害をなくし世界に出るきっかけを作りたい」という想いは、今なお強まっている。

2018年2月にJ300アワード大賞を受賞後、経営者として会社を成長させたいという想いから外部資金調達を拡大。事業収益向上を目指した新事業として、海外人材派遣サービスを立ち上げた。これは、かねてより中小企業から海外進出において人手が足りないという話を聞いていたためだった。この成長路線に伴い、静岡本社だけでなくベトナム・種子島・福岡・横浜とスタッフ増やし、従業員は正社員15人、パートタイムも含め最大20人まで増加した。

しかし、元々の事業である中小企業の海外輸出支援と、日本国内での海外人材派遣は業務内容が大きく異なり、そのギャップからメインスタッフが小粥さんのもとを離れてしまうことになった。そして時期を同じくして、新型コロナウィルス感染拡大により世界も大きく変化。現在は成長路線を見直し、初心に戻って「自分たちのやっていきたいところをやろう」と、海外輸出支援事業に改めて焦点をあてている。2021年3月にはアンテナショップ「Japanese Eats(JE)」をベトナムでオープンし、盛況を博しているところだ。

日本企業の海外進出といえば、日本貿易振興機構(ジェトロ)等の公的機関も支援を行っているが、エイグローブの強みは「より小回りがきく」ことだと自負している。公的機関はある程度の規模感がある企業の支援が中心となるが、海外進出に企業の規模は関係ない。かゆいところに手が届くサービスかつ、ベトナムをはじめとする海外とのパートナーシップの多さがエイグローブのスパイシーさだ。


ベトナムでアンテナショップ「Japanese Eats(JE)」をオープン

県外のクライアントが増加!国外マーケットも見据えた会社が勝つ

2022年以降は、他のアジア複数国にもアンテナショップの展開を計画しており、さらにはアジア以外の国にも関心を持つなど、小粥さんは旺然として未来を見据えている。

今後も、原点に立ち返って中小企業の海外輸出支援に注力しつつ、J300アワード応募時のPRシート(注2)で描いたように、顧客幅の拡大を目指している。2018年のJ300アワード受賞当時は、クライアントのほとんどがエイグローブ所在地である静岡県の企業であったが、現在は約半数が静岡以外の企業となっている。コロナ禍でオンラインが当たり前になり、物理的に遠方のクライアントとも取引が増え、特に地方自治体とのウェブ会議が可能となったことも大きな変化だと感じている。

バイヤーと生産者(中小企業)を繋ぐ『オンライン見本市(ウェブExpo)』を立ち上げた当初は、オンラインでの取引に苦戦することもあった。当時からリアルな海外渡航の必要性を感じていたが、コロナ禍において、ウェブExpoの可能性を強く感じつつも、実はさらにオフラインの大切さを意識する機会になったという。

今後はオンラインとオフラインを併用しながら、短期的にはベトナムを中心としたアジア各国と北米、さらに長期的はアフリカも見据えて、メイドインジャパンの海外輸出支援に邁進していく。「ナイジェリアとルワンダに、オンラインのビジネス発信プラットフォームを持つ会社がある」と、すでに情報収集も始めている。

日本企業の海外進出において、心理的なハードルは大きい。加えて、特に中小企業は海外ビジネスに関する情報が入手しにくいという実情がある。情報が不足していると、輸出のための認証取得が必要といった、金融機関や商工会議所からのアドバイス一つとっても、中小企業にとっては「遠い」、「お金がかかる」といったメンタルブロックとなってしまう。

「今のうちに国外に売っている会社とそうでない会社で、将来的に前者が勝ち組となる」。現実に、過去にオンラインビジネスや海外への投資など、当時は必要ないと思われていたことに力を入れていた会社が成功していることは事実としてあり、これまでは自国マーケットのみで商売できていたとしても、長期的な視点で国外へアプローチしていく必要性は高まっている。

(注2)PRシートとは、J300アワードに参加する女性起業家が、自社・事業の魅力を「スパイシー度」と「広がり度」を軸に棚卸し、アピールするもの。


J300アワード受賞当時のPRシート

できることは身近な一歩。                                   J300アワード受賞がセルフブランディングの一助に

実は小粥さんにとって、J300アワードへの応募は、他薦による気軽な試みだった。しかし実際に大賞を受賞した以降は想像以上の反響があったという。地元静岡県では関係者による祝賀会をはじめ、メディアにも多く取り上げてもらった。「“日本一”をとった女性起業家」という冠は分かり易く、人から人に伝わりやすい面があった。J300アワードへの参加はセルフブランディングに最適だったと、受賞後に大きく感じている。

受賞当時も今も、小粥さんが大切にしていることは、「Think Globally, Start small, Do it now」。理想は思いつく限り大きく考えて、行動は足元で出来ることからすぐにやる。「できることは身近な一歩だったり。やりたいことがあれば何でも考えて、すぐにやろう」。インタビュー最後に力強いエールをもらった。


バイタリティ溢れる小粥さんの一言一言に、J300事務局メンバーも勇気づけられた。

地域アンバサダー(静岡) 内田美紀子さんからのコメント

立ち止まることを知らないのではと思うくらい、常に行動し続けている小粥あさ美さん。逆境をバネにする力を目の当たりにみていると「あれこれ悩んでないで、とりあえずやってみようよ」とメッセージを投げかけられているようです。コロナ収束後のビジネスチャンスも捉えていて、エイグローブの企業成長が楽しみです。