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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

自分の夢を叶えることで<br/>子どもの夢も叶える最先端のママ社長
Interview vol.84

自分の夢を叶えることで
子どもの夢も叶える最先端のママ社長

有限会社エムオープランニング 大平美智留 さん

http://www.mo-p.co.jp/index.html

1982年から株式会社リクルート広告事業部にて制作業務を約3年担当。原価管理・進行管理・広告制作などのイロハを学んだ後、編集プロダクションで5年間大手企業の販促ツール制作にも携わる。1990年フリーのディレクターとして独立し1998年に会社設立。中小の企業や学校の、イメージアップおよび採用・販売促進のための広告およびツール制作の企画・ディレクションを行っている。好きな言葉は「ピンチはチャンス」。大学生の子供が2人いるとは思えないほど若々しくおしゃれ。

自分の夢を叶えることで子どもの夢も叶える最先端のママ社長

クライアントに寄り添う形であらゆる形の制作提案を行っている大平さん。ワーキングマザーが少ない時から社長業をつづけて20年超。ご褒美は、誇りを持てる仕事、信頼してくれるクライアント。そして、大学生になった長女からの「ママはかっこいい」の言葉。子育てしながら仕事を続けるのは素敵なこと!そんなメッセージと事業を続ける心構えを伺った。

名刺ひとつが大きな仕事に。丁寧な取組みで信頼を獲得

設立して23年、2人の子供を育て働き続けてきた。90年代初め頃、結婚退職が当たり前かつ、育休・産休制度がまだまだ整っていない働くお母さんには厳しかった時代。二人目の出産を控えていた大平さんは「会社員」を辞め独立することを決意しフリーランスになった。最初の仕事は名刺作成、ちょっとした縁で始まった。5年前にやめた会社「リクルート」つながりだ。当時一緒に仕事をしていたわけではないが、外食中に偶然出会い「会社を作るから、女性目線で名刺を作って欲しい」と依頼される。フリー初仕事の名刺が気に入られ、学校に強い広告代理店を紹介してもらいビジネススクールのパンフレットなどを作成。名刺ひとつの小さいとも思える仕事が大きな仕事につながり、今でもクライアントの半分は学校、得意分野だ。
仕事は信用できる人かどうかが大事。同じ会社で大変な境遇を共有していた経験や、ひとつひとつの仕事をきちんとこなした実績が評価されて23年。理不尽な要求にも反論せず受け止めた結果、信頼できると認められ仕事を回してくれるようになったこともある。HPを見ていきなり仕事の依頼につながるのはまれという大平さん。最近では担当者が年下のことも増えてきたが、必ず敬語で対応。要望をきちんと受け止め、信頼を獲得している。

3つの強み。コーディネート力、企画力、深く長くつながる事

強みは”人のコーディネート力”と”企画力”、 ”深く長くつながること”。大平さんの役割はディレクター。クライアントとデザイナーの間に立ち、翻訳の役割を果たす。デザイナーの士気を下げないよう、クライアントからのマイナスな意見も上手に翻訳して褒めながら伝える。スケジューリングも得意。依頼内容にあったカメラマンやコピーライターをコーディネートする力も自慢だ。お金の話は必ず最初にするが、常に相手の優先順位を踏まえ見積もりを作成。お金がないなら、ないなりのやり方で一緒に会社を盛り上げる「企画力」も強みだ。
「ピンチはチャンス」が23年の合言葉。一度離れたクライアントが、7、8年越しで戻ってきたことも。ある学校で5年程取り組んだ大きな仕事を、担当者が変わり断られた。しかしその後も小さな仕事を丁寧に続け、「仕事が速いし要望通りの対応!一緒に仕事がやりやすい」と7、8年越しで仕事が戻ってきた。大手ではできない方法。担当が変わることもなく、大平さんが常にクライアントに寄り添い「深く長く」つながる。どんな仕事でも相手と真摯に向き合い、コミュニケーションを丁寧にしてきた。コミュニケーションがしやすいから「大平さんでないとダメ」というクライアントも多い。

事業のブレない軸と柔軟な変化。スタッフへの伝え方には細心の注意を

事業にはブレない軸と柔軟な変化が求められる。軸は、お客さまに喜ばれること。一方、時代の流れと経験を積んで変化したことは、いくら思いがあっても収益が伴わない仕事は勇気を持ってあきらめること。リーマンショック、東日本大震災を機に利益率を見直し、収益が伴う仕事を続けてきた。
フリーで独立して仕事を始めてから8年後の1998年、依頼が増えて法人化した。事業が大きくなると1人ではやっていけない。人にうまく頼ることも大切になるため、スタッフとのコミュニケーションにも気をつかっている。若い頃は相手の逃げ場を作らず責めてしまうこともあったが、経験を積んでスタッフに対する言い方も変えられるように。重要なのは「いかに同じ失敗をさせないか」。感情に任せて怒るのではなく、冷静に的確に注意。損害が出た時は始末書を書いてもらうこともあるが、目に見える形にすることでスタッフの意識も改善する。
「経営者の気持ちに寄り添えるスタッフをいかにつくれるか」が肝心。ただ雇われるのではなく、社長と同じ意識で働けるスタッフの存在は欠かせない。子育て中のパートのデザイナーがフレキシブルに働けるよう配慮もしている。

子育ては報われる。今後は「人のため」の事業にまい進

旦那さんは仕事に寛容だが、共働き世帯も「イクメン」も少なかった20年前。子育ては大平さんが中心で頑張ってきた。保育園の送り迎えは自転車で、打合せがのびてお迎えに遅れそうになると心臓がバクバク。参観日もできるだけ行ったが、優雅にランチをする他のママを横目に仕事に飛び出す。子供に対してうしろめたいと思う時期もあった。
しかしそんな思いも報われる出来事が。大学生になった長女から「働くママはかっこいいし、小さいころからさびしいと思ったことはなかった」という一言。お金がかかる美大に行きたいという長女の夢も、共働きのおかげで応援することができた。
子育ても一段落。ここ2・3年、「人の役に立つことがしたい」と新たに考えているのが「From 40’s(フロム・フォーティーズ)」。子育てを終えた40代以上の女性が自分らしく生きるための情報サイトだ。多くのコンテンツを盛り込むよりもシャープにする方がよいと、時間をかけて熟考中。1年以内には公開したいと考えている。
今の自分に満足せず、目標をきめて前進するのが老けない秘訣。最近では、息子の影響で英語を始めたり、人の役に立てるようにと通信教育で心理学も学び始めた。活き活きと挑戦を続ける大平さん。経験を積んだ最先端のママ社長の活躍に今後も注目したい。