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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

母として妻として経営者として。<br/>宮坂さんの挑戦
Interview vol.64

母として妻として経営者として。
宮坂さんの挑戦

株式会社youme 宮坂珠理さん

http://www.youme-inc.tv/

1974年東京都生まれ。横浜国立大学経済学部国際経済学科卒業後、東北放送株式会社報道局アナウンス部にて4年半勤務。その後、CS局ショッピングチャンネル「QVCジャパン」にライブショープロデュ-サーとして入社。その後、母とともにテレビ通販卸専門会社㈱Youmeを設立。テレビ通販業界で化粧品原料について徹底的に学んだ経験を生かし、世界の果てで出会った究極の美肌成分「エクトイン」を使ったオリジナル化粧品の製作を決意し、2007年よりショップチャンネルにて販売開始。

母として妻として経営者として。宮坂さんの挑戦

「妻であり、母であり、経営者。」3つの顔を持つのが、株式会社Youmeの宮坂珠理さんだ。女子アナ時代に肌荒れに悩んだことから化粧品ジプシーとなり、その後に入社したテレビ通販会社で化粧品の成分について学んだ経験から、オリジナル化粧品ブランド「SWIWA」を作り上げた。今回は、「SWIWA」ができるまでの苦労やこだわり、ビジネスパートナーであるお母様との関わり、そして今後の展望などについて伺った。

”化粧品ジプシー”が世界の果てで出会った美容成分「エクトイン」

自らと同じく「仕事、母、妻」という3つの顔を持つ女性を応援する、というコンセプトで生まれたシンプルケアコスメ「SWIWA」。最大の特徴である保湿成分「エクトイン」との出会いは、砂漠の真ん中だった。「もともとは”化粧品ジプシー”」と笑う宮坂さん。自らのアナウンサー時代、人に見られる仕事にも関わらず、ストレスや不規則な生活から肌荒れがひどく、色々な化粧品を試すがどれも肌に合わずに苦労した。
4年後、通販番組会社に転職し、商品販売の演出を考えるプロデューサーとして年間100ブランド以上の化粧品を世に送り出す。商品を売り出すためのストーリーを考えようと1つ1つの化粧品を見る中で成分についても詳しくなり、「もしかしたら原料から組み立てていけば自分に合うものが出来るのでは」と考えたのがきっかけだった。ベースとなる美容成分を探して辿り着いたのが、ヨーロッパのセレブたちが注目していた、エジプトの砂漠のオアシスにあるという「エクトイン」。
自らも効果を確かめるべく日本から3日かけて現地へ。「クレオパトラが何度も訪れた」という伝説の鉱泉に入ると、砂漠の過酷な環境下で受けたダメージが嘘のように潤いを実感。「これはいける!」と確信した。半年の製品開発には研究者も加わり、SWIWAが誕生することとなった。


大手じゃないからこそ、とことんこだわれる

SWIWAの登場以後、エクトインの保湿効果への注目は広がり、大手化粧品メーカーにも「エクトイン配合」の商品は増えた。しかし、「配合量」が違う。ほんの少しの配合で「エクトイン配合」を謳う大手メーカーも多い中、SWIWAはエクトインを限界まで配合した。
大手メーカーは商品を量産しなくてはならない、いわば”薄利多売”の世界。SWIWAのように贅沢な美容成分を限界まで配合し、成分比率にも作り方にも徹底的にこだわることが出来るのは、「大手ではないからできる」と宮坂さんは語る。
自らが”化粧品ジプシー”であった経験、そして化粧品成分についても学んだからこそ、「結果が出なければ意味がない」と、コストはかかっても本当に良いものを作ることにこだわった。
また、多くの化粧品を見てきた中で、もう1つ妥協できなかった点が「香り」だ。化粧品、特に海外製は匂いが強いものが多いが、「もっと日本人にあうやさしい香りがいい」「化粧品は朝つけるのはもちろん、1日の終わりにもつけるものなので、リラックスできる香りに」という思いがあった。そんなこだわりから「オレンジフラワー」をベースにした、どこか懐かしさを感じる優しい香りが生まれた。こちらも何十回も案を練っては作り直し、やっと生まれた香りだ。

経営者であり母・妻であり、娘。

SWIWAのコンセプトと同じく、「経営者と母と妻」3つの顔を持つ宮坂さん。現在は家族の暮らす愛媛から”単身赴任”という形になるため、気配りを欠かさない。旦那さんには「自由に(仕事を)させてもらってありがとう」と声をかけ、子供といるときには「100%で遊び、100%で怒る」という。「全てに全力ですね。」これが宮坂さん流だ。
また、珍しいことに一緒に会社をやっているビジネスパートナーはご自身のお母様。7年前、お母様の経営する化粧品会社でどうしてもヘルプが必要になり手伝うことになったのがきっかけ。そこから二人三脚でやってきた。
親子だが、遠慮はしない。ぶつかることはありませんか?と聞くと、「親子というよりも友達のような感覚で、むしろ言いたいことは言い合える。ぶつかっても、一晩寝たらお互い忘れますよ」と笑う。わりと自由な性格のお母様を、「ほっておくとあちこち行ってしまうので(笑)」としっかり者の宮坂さんがうまくフォローしてコントロールする様子からは、コンビネーションの良さが感じられる。

シンプルにこだわるからこそ、ラインナップは増やさない

多くの経営者に今後の展望を聞くと、「新商品」という言葉がたびたび出てくるが、宮坂さんは現在のラインナップである4商品(ソープ、ローション、BBクリーム、エッセンス)から増やすつもりはないという。ユーザーの目線に立って作ったからこそ、シンプルにこだわっている。「SWIWAは、私のように子供もいて仕事をしていて、という方に使って欲しい。となるとお化粧にかける時間って少ないし、中には化粧水をつける暇すらないという方もいるので、簡単にケアできるように作りました。だから、あれこれ増やすとその根底がぶれてしまうんですよね。」
今後の目標は、これまでショップチャンネルや電話などのアウトバウンドが中心となっていたが、WEBやソーシャルネットワークなど新しい販路を強化してゆくことだ。「WEBを強くして、将来的にはたとえば私が家族と愛媛にいたり、どこにいても仕事ができるように。」母として妻として経営者として、宮坂さんの挑戦は続く。

(インタビュー・ライティング/保田直樹)