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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

「結婚しても子供を産んでも(ハイスキルマザーが)<br/>自分を活かして働ける世の中」を目指して!
Interview vol.98

「結婚しても子供を産んでも(ハイスキルマザーが)
自分を活かして働ける世の中」を目指して!

株式会社Waris 米倉史夏・田中美和(共同代表)さん

代表取締役(共同代表)米倉史夏 1975年生まれ。慶應義塾大学卒業後、日本輸出入銀行(現 国際協力銀行)入行し企業の海外直接投資に関する調査に従事。その後リサーチャーとして㈱ボストンコンサルティンググループに入社しヘルスケア業界の担当を経て、㈱リクルートへ転職。医療領域の新規事業立ち上げやブライダル事業の企画業務に従事。女性のキャリア支援に携わりたいと考え、2012年にリクルートを退職して株式会社Warisを設立。<br/> 代表取締役(共同代表)田中美和 1978年生まれ。慶應義塾大学卒業後、日経ホーム出版社(現 日経BP社)入社。「日経ウーマン」、「日経トレンディ」、日経キッズプラス」などの企画、取材、編集、執筆に携わる。「日経ウーマン」在籍中にキャリアインタビューやアンケート分析を通じて3万人以上の働く女性達の声に接する。女性が自分らしく前向きに働き続けるためのサポートを行うべく2012年に日経BP社を退職して株式会社Warisを設立。

「結婚しても子供を産んでも(ハイスキルマザーが)自分を活かして働ける世の中」を目指して!

会社名でもある「Waris」とは東アフリカのソマリアの言葉で「砂漠に咲く花」という意味。どんな環境でもきちんと花を咲かせて生きていくように、女性が子育てや夫の転勤といった変化する環境におかれても自分を活かして働ける事を重ね、この名前が付けられた。企業の第一線で豊富な経験を積んだハイスキルマザーと企業を結び、有能な女性がイキイキと働き続けられるワークスタイルを提案するWaris共同代表の米倉さんと田中さんに、会社設立の経緯や人材サービス業での顧客との関わり方などを伺った。

「ホワイトカラーのフリーランス」という新しい考え方

「女性のキャリア支援」という同じビジョンを持った3人の女性で立ち上げた人材サービス会社、株式会社Waris(ワリス)では豊富な経験や専門性もつワーキングマザーに、経験・専門性をフルに活かせる仕事を業務委託している。各種セミナーやイベントなどの企画・開催・運営も手掛け、米倉さん、田中さんともに米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラーの資格を持つ。「誰もが自分を活かして働ける世の中」を目指して、会社設立以来数々の登録者と企業を結び付けてきた。
Warisならではの強みは「ハイスキルマザー向け」と「業務委託にフォーカス」している点。もともとフリーランスは、デザイナーなどのクリエイティブ系やSEなどIT系では一般的。Waris式は、職種の幅がさらに広く総合職をはじめする企業の中で責任あるポジションを経験してきた、いわゆる文系ホワイトカラーのハイレベル業務をフリーランス的に依託すること。設立1年の現在、登録者は350名、顧客企業は約70社。登録者の平均年齢は38歳で、多くは外資系や大手・ベンチャー企業での勤続年数10年以上で離職期間1年未満、1人でもプロジェクトを担当できるレベルの登録者が大多数を占める。実力はあるけれど子育てなどで会社勤務の時間制約に合わない女性が、プロジェクトベースで仕事を受け、在宅勤務プラス週に数回出社するなど柔軟な働き方が可能になる。

「この人とならやっていける」経営パートナーを見極めるポイント

起業のきっかけはビジネスコンテスト。優秀な女性が結婚や出産を機にキャリアをあきらめるのを目の当たりにしてきた3人は、共通の友人を通じて知り合いキャリア支援ビジネスの話を重ねるうち「自分達の想いがビジネスとして社会で通用するのか確認したい!」と、本職をもちながら6ヶ月の準備期間の末コンテストに挑み賞を獲得。その2ヵ月後にはとんとん拍子で会社設立。資本金は3分の1ずつ出し合い対等なパートナーとしてスタートした。
起業にあたりパートナー選びは大切だが容易ではない。ビジョンは共有できても実際の運営や作業が発生した場合にうまくいかない事もある。パートナーを見極めるポイントは「得意ジャンルが違い、役割分担が明確な事」と「コミュニケーションスタイル・スピードが似ている事」。新規事業の立ち上げ経験を持ち経営管理に強い・メディア出身でPRが得意・人材紹介出身で法整備の分野に強い―と、それぞれに異なる強みを持っているため、安心してその分野を任せることができる。作業は自然に分担され、お互いにカバーもしあう。そしてもう一つの大切なポイントはコミュニケーションスタイルの近さ。会話の速さや意図の組み方、掘り下げ方が似ているので、話していて違和感がないという。問題があればとことんディスカッションをし、解決に導く。Warisの設立・運営は1人ではできなかったと口をそろえる。

ハイスキルマザーと法人顧客のメンテナンス

業務委託だからこそ、よりシビアにクウォリティマネジメントに務めている。ハイスキルマザーへの委託業務は事業戦略の落としこみやPRプラン作成などハイレベルなスキルを求められるものがメイン。登録者と法人顧客のメンテナンスには細かい気を配る。登録者の面談ではスキルレベルはもちろん、仕事へのスタンスをみて紹介できる仕事とのマッチングに備える。見極めのポイントは「自分で自覚している強みがあるか」「質問に端的に答えられるか」「自走性を持っているか」など。登録者はキャリアの長いベテランも少なくないので、相手のプロ意識を尊重し感謝の気持ちを込めたコニュニケーションを大切にする。
現在プロジェクトを発注する法人顧客開拓は、前職からのネットワーク・ベンチャーキャピタルからの紹介・メディアを通じて1年で約70社。楽天や外資系製薬大手のバクスターなど大手企業が約10%で残りは中小企業が多い。顧客企業には求めるスキルやタイプを丁寧にヒアリングするとともに、業務完了後のフォローアップも欠かさない。登録者には業務完了後に報告書をあげてもらい、企業側にもヒアリングを行うなど丁寧にニーズを拾い上げることによって次の依頼につながるよう務めている。

Waris的働き方を日本社会に広げたい

安倍政権が働く女性を後押しする風潮もあり、Warisは設立から1年の間に各メディアでも多く取り上げられている。登録者の中には結婚や出産を機に会社を辞めて一度はキャリアを諦めかけた人も多い。「Warisに出会って再び社会で自分を認めてくれる場ができた」と喜ぶ声を聞き、目指していたものが実現していると感じる。
女性の高学歴化が進みながらも少子高齢化で労働人口が減り、女性の労働力の活用が期待されている現在の日本。出産や子育てなどの女性特有の局面をむかえても、築いてきたキャリアやスキルを諦めることなく社会で活かせる仕組みを提案するWarisのサービスはさらにニーズが高まるだろう。欧米では珍しくないホワイトカラーのフリーランス的な働き方が日本にも広がり、在宅やプロジェクトベースの働き方もできれば、人生の選択肢がもっと広がるはず。そんなWarisの今後の課題は大手企業の顧客獲得だ。日本の経済を牽引する大手企業にワリス的な多様性のある働き方を理解してもらい、外部の優秀な人材を受け入れる仕組みを一緒に作っていきたい。今後Warisが提案する働き方を広げていくために、企業やワーキングマザーに関係のある団体と連携してセミナーやイベントを実施したいと語る。起業から約1年だが今後のワリスの活躍に目が離せない。