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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

内閣府共催 女性社長×企業マッチング
Interview vol.109

内閣府共催 女性社長×企業マッチング

女性社長×企業プレゼンから受注までの裏話とその後     エニタイムズ × 東京急行電鉄 さん

http://joseishacho.net/2015_matching/

内閣府、J300実行委員会(女性社長.net)、東京ニュービジネス協議会でこれまで実施してきた、企業×女性起業家のマッチングイベント。今年1月イベント実施し、プレゼンセッションを経て実現した企業提携のひとつが、株式会社エニタイムズと東急電鉄の提携だ。創業からわずか2年という新しい会社は、鉄道会社として屈指のブランド力を誇る大企業を、いかにして射止めたのか。両社はお互い何を得、どこを目指すのか? 提携に際してはどんなハードルがあったのか? すでに9月からスタートしているサービス内容も含め、今回の提携に携わった4名にうかがった。

こぼれていたニーズを拾いたい大企業と 幅広い顧客と出会う場が欲しいベンチャー。 両社の思いが合致してコラボが実現

地域密着型で街作りに力を入れている。提携相手として理想に近い企業だった。(角田) 今、拾い切れていないニーズを拾うための解がある、と思った。(青戸) 2012年6月から、専門スタッフ「ベルキャスト」がお客様のご自宅に伺い、ネットスーパーやハウスクリーニング、家事代行など、「家ナカ」を便利で快適にするサービスを提供する「東急ベル」を開始した東急電鉄が、前回のプレゼンセッションで女性社長に求めたのは、「東急ベルで、お客様にお勧めできる新しいサービスのアイデア」。女性ならではの生活者目線のアイデアや、新しい発想のサービスがみつかればと考えた。 一方、2013年創業とまだ新しい企業ながら、IT技術を使って人と人のつながりを生み、さらにビジネスにつなげるという新しい発想で注目を集めるエニタイムズ。「今はまだプロダクトを磨いている段階。でも、地域に根ざして実際に街づくりをしている企業とは組みたいと思っていました」という角田さん。 どちらも人と人、人とモノやサービスをつなぐという共通点がある。

地域密着型で人と人をつなげる仕事。相性はいいとお互いに直感

前回の「マッチングイベント」では、トークセッションに登壇した角田さんの話を聞き、「地域密着型の企業と相性が良さそうだと感じた」という、東急電鉄の青戸さん。その後のプレゼンセッションでは、その角田さんが目の前に登場。「大勢に向かって話されるのと、自分たちに向けて話してくださるのはまったく違う。その意味で、プレゼンには意義がある」と語る。
内容もまさに求めていたことそのものだった。スタッフ(ベルキャスト)が個人宅に商品やサービスを届ける東急ベルのサービスを展開するなかで、「電球を取り換えて欲しい」「重いものを上げて欲しい」といった“ちょっとしたこと”のニーズがあるのはわかっていた。しかし東急ベルの既存のサービスでは、こうした“ちょっとしたこと”は拾えない。「ニーズがあるとわかっているのに、どう取り組めばいいかわからなかった。その問題の解が、ここにある」と感じたという。
一方、角田さんも「地域に根ざした街づくりで、沿線の地域力を高めようという東急電鉄は、一緒に組むなら理想に近い企業と思った」。東急ベルを媒介に、東急グループのリアルの拠点を活かした取り組みもでき、なおかつ東急ブランドの安心感も加わる。さらに東急沿線エリアが、これまでエニタイムズが重点地域のひとつと考えていた世田谷区と広く重なっていることも魅力だった。


東急 宮本さん(左) 青戸さん(左中央) /エニタイムズ 角田さん(右中央) 鍬野さん(右)

ベンチャーと大企業が組む意義は

青戸さんの上司である宮本さんも同行しての打ち合わせやスカイプ会議など、顔をつきあわせてのミーティングはわずか4~5回。東急電鉄では、ある程度までの投資や提携は部長レベルで決裁できるため、3月にはすでに提携に向けて部内の意思統一はできていたという。
エニタイムズが創業まもない企業であることは問題ではなかった。「もともとベンチャーへの門戸を広げている会社。外部のいい影響をどんどん受けなさいという企業風土です」と、宮本さん。そもそも、現在東急ベルが提携する約40社のほとんどがベンチャー。歴史や会社の規模より、サービスの内容やお客様の支持が重要だった。ただ、シェアリングエコノミーという新しい概念にもとづくエニタイムズのサービスは、なかなかイメージが掴みにくい。しかも個人対個人の取引きとなるため、「安心・安全」をすべての事業の根幹とする鉄道会社としては、特にリスクマネジメント部門への説明と理解を得るのに時間を要したという。
エニタイムズ側にも問題があった。「ベンチャーの場合、意思決定は早いけれど、本業で手いっぱいで、他社との提携に割けるリソースの余裕がない。そういう面ではご迷惑をおかけしたかもしれません」(鍬野さん)。本業を磨きつつ、提携に向けた作業とのバランスをどうとるか、社内で議論になったこともあるという。そんな時役立ったのは、大企業に勤務したこともある角田さんと鍬野さんの経験。「大企業とベンチャーでは、リスクマネジメントの考え方が大きく違う。どれだけ大企業側の視点で考えられるか、常に意識していた」と、角田さんは振り返る。


東急電鉄は今年度も「内閣府共催企業×女性起業家マッチングイベント」にプレゼン企業として参加予定

想定していたユーザー像に変化。課題はプロモーション

こうして実現した両社の提携。利用者の利便性を考え、エニタイムズのプラットフォームをそのまま利用するなど、東急ベルには珍しいWネームでのサービスとなった。もともとが「ちょっとしたこと」を「低価格で」提供するビジネスモデルゆえ、大きな利益にはつながらないが、「潜在的なニーズを掘り起こして顧客の満足度を上げたい」「新しい顧客と出会いたい」といった大きな目的に向けて、両社のメリットは一致している。
その一方で、今後の課題も見えてきた。エニタイムズが当初想定していたサービス利用者は、依頼する側もサポーター側も、定年退職した高齢者や専業主婦だった。しかし実際に伸びているのは30~40代で、しかもITリテラシーの高い層。東急ベルのハウスクリーニングや家事代行サービスも同様とのこと。「まずは現在のユーザー層への浸透を図り、そこから当初の高齢者層に訴求していくことも必要かもしれない」(角田)。プロモーションの手法も含め、今後の方向性についてじっくり詰めていきたいと口を揃える。
しかし、「自分の能力や時間を提供するサポーターとして、新しい働き方の場を提供することも、住みたい沿線日本一を目指す東急グループ全体としてみれば意義がある」と、宮本さん。新しいサービスの形として、5年後には広く定着しているかもしれない。


エニタイムズ 角田さんは昨年度J300アワード特別賞を受賞

今年マッチングイベントに参加する女性社長さんへメッセージ

角田さん「相手企業が出している課題に答える内容であることは、最低限必要だと思います。そのうえでポイントを絞り、図やグラフなどを入れてわかりやすく見せる。トラブルになったときの対処やお金の流れなど、相手企業が知りたいであろうことを事前に想定、質問されたら明確に答えられる準備も大切。私も前回は社内での議論やリサーチなどで、事前の準備に数日かかりました(実際の資料作りは数時間)。そうすればたった3分でも、『また会って話を聞きたい』と思ってもらえるプレゼンは可能だと思います」
青戸さん「企業が求める課題に沿ってお話しいただけれとうれしいですね。でも逆に、プレゼンセッションでは、企業側がどれだけ社内で真剣に議論してきたかも問われていると思います。前回は最初から「事業規模はどれくらい」と提示して臨み、それも自分たちが求めるものと出会えた理由かもしれないと思っています。もちろん、大きなお題を投げていろんな切り口で提案いただき、そこからきらりと光るモノをみつけたいという考え方もあるので一概には言えませんが……」

株式会社エニタイムズ https://anytimes.co.jp/ 東急電鉄株式会社 http://www.tokyu.co.jp/
(内閣府共催マッチングイベントにて提携した事業)東急ベル×ANYTIMES 「LIFE SHARE, LIKE SHARE」 http://www.tokyu-bell.jp/service/anytimes/
今年度も実施します!2016年2月10日J300&内閣府共催企業×女性起業家マッチングイベント http://joseishacho.net/2015_matching/


東急ベル×ANYTIMES 「LIFE SHARE, LIKE SHARE」(内閣府共催企業×女性起業家マッチングイベントにて成立)