J300アワード受賞者に聞いた
アワード受賞後の変化と
これから起業する方へのメッセージ
後編
J300アワード(注1)受賞者のその後を追う、“J300アワード受賞者に聞く”インタビュー企画。各年度で受賞された女性社長にグループインタビューを行い、才能にあふれた女性社長の方々に、受賞後の変化、これから起業家を目指す方へのメッセージ等をいただいた。本記事は、2015年度と2018年度J300アワード受賞者のうちご協力くださった2名の方へのインタビューをまとめている。※前編として2020年度受賞者の皆さんへのインタビューをまとめた記事 ▶https://joseishacho.net/interview/entry19482/
インタビューへご参加いただいた[2015年度・2018年度J300アワード受賞者]の皆様
[2015年度J300アワード受賞者]【準大賞】株式会社ウナギトラベル 代表取締役 東園絵さん/[2018年度J300アワード受賞者]【特別賞】一般社団法人家族のためのADR 推進協会 代表理事 小泉道子さん
J300アワード受賞前後含め、この5年間いかがでしたか
東さん「J300アワード受賞後、これまでもツアーを行っていたハワイに加えてパリやアラスカにも行きました。特に“組織だったツアー”、つまり旅行代理店や航空会社旅行部門などの法人との提携事業が多くなり、受賞後に登壇した「企業×女性起業家取引促進イベント」を通じて企業航空会社やメディアから声をかけてもらうこともありました。また、2018年には韓国政府観光局の韓国観光公社さんと政府のアウトバウンド促進事業の一環として、韓国の平昌オリンピック視察ツアーも行うなど、海外へのツアーが増えていた一方で、コロナ禍による旅行業界への打撃もあり、こういう時だからこそできることがあるのではと、振り返ることにもなった5年でした」
小泉さん「J300アワード受賞前後で大きな変化があったというより、この5年間で自然に事業が成長していきました。たとえば、受賞当時はとにかく駆け出しで、すべての業務を自分自身で行っていましたが、現在は税理士・会計士等との連携も進めています。もともとB to CというよりB to Bの事業で、企業から依頼を受けてコラムの執筆なども行っていましたが、以前にも増して現在は行政との一緒に仕事をする機会も増えてきました。事業内容に大きな変化があったのではなく、自然体で仕事の形や進め方に変化が生まれた5年でした」
With/Postコロナでの変化があればお教えください
東さん「ツアーはこれまで東京都外への宿泊が基本だったため、自粛せざるを得ない状況はありました。ですが『今こそやらなくて、いつやるんだ』という気持ちで、これは東京都内を見直す良い機会と捉え、利用客が激減した都内の旅館へ応援の気持ちも込めてツアーを企画しました。コロナ前からツアーは9割が国内、1割が海外でしたが、ぬいぐるみですら海を渡れない状況が続き、さらに国内を中心とし地域密着型になっていきました。ただ、ツアー中に発信しているSNS等について、海外からのコメントが増えたことは一つの変化でした。コロナ禍だからこそ必要とされるサービスとして注目を集めているように感じます」
小泉さん「コロナ禍での変化は著しかったです。人は危機的状況になると絆が強くなったりするもので、『こんな時に揉めている場合ではない』と、2020年3月には離婚の申立てがピタッと止まりました。ですが景気は関係のない業界なので、このような状況は一時的であると予想していたところその通りで、同年5月には申立てが爆発的に再開しました。家庭裁判所も止まっている中で、『オンライン調停』という手段もあることをYoutube等で発信していたので、その効果もあったかもしれません。コロナ前からオンライン調停は行っていましたが、抵抗を感じる人も多く、受ける相談は9割が対面、1割がオンライン実施でした。それが今では逆に1割が対面、9割がオンラインとなっています。自社に所属している調停者は、年配メンバーであっても考え方が柔軟で、オンライン調停にもすぐ対応できたことは助かりました」
これから起業する方、J300アワードへの参加を考えている方へ~受賞者からのメッセージ~
東さん「私はJ300事務局側として運営の立場にもあるので、J300が女性社長の皆さんの背中を押すイベントであると強く信じていますが、実際に自身がJ300アワードを受賞してみて、仲間ができて、周りの人たちが喜んでくれたことが純粋に嬉しかったです。またこれから改めて頑張っていこうと、精神的にプラスとなる経験でした。J300は、次の一歩へ躊躇している背中を押してくれる、そんなイベントです!」
小泉さん「J300アワードへの参加は、利益や組織を可視化することに邁進していた中で、自分が本当にやりたいと思っていることをいかに共感してもらえるか、見直す良い機会になりました。ビジネスとして走り続けていると周りが見えなくなってしまうこともあると思いますが、原点を思い出すことは大切です!」
芯のある想いをもって、変化する社会には自然体で柔軟に向き合いながら活躍されるお二人。お忙しい中、インタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました。株式会社コラボラボは、引き続きお二人の今後のご活躍・ご発展をお祈りしております。
(注1)J300アワードとは、個性的でコラボの可能性にあふれた女性起業家を表彰、応援するアワード。
https://j300award.wixsite.com/2019
(注2)PRシートとは、J300アワードに参加する女性起業家が、自社・事業の魅力を「スパイシー度」と「広がり度」を軸に棚卸し、アピールするもの。
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■「J300アワード」受賞者インタビュー好評連載中!
2019年度大賞:株式会社こんにゃくラボ 岩崎真紗美さん
2017年度大賞:エイグローブ株式会社 小粥おさ美さん
2016年度大賞:菜桜助産所代表 堀田久美さん
2020年度受賞者の皆さん
https://joseishacho.net/interview/date/2021/