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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

真のダイバーシティを推進。目指すは<br/>Professional success&Personal happiness
Interview vol.74

真のダイバーシティを推進。目指すは
Professional success&Personal happiness

アパショナータInc. パク・スックチャさん

http://www.worklifebalance.co.jp/

日本生まれ、韓国籍。米国で学士、修士取得。米国と日本で米国系企業に勤務後、韓国へ語学留学。その後日本に戻り米国系運輸企業に入社、同社にて日本・香港・シンガポール・中国など、太平洋地区での人事、スペシャリストおよび管理職研修企画・実施を手がける。 2000年2月に退社。同年12月に日本で最初にワークライフバランスを推進するコンサルタントとして独立。企業での社員の意識改革、働き方改革及び教育研修に携わる。同時に米国とアジアに精通したグローバルな経験を活かし、ダイバーシティ(多様性)推進に力を注ぐ。企業にもメリットをもたらす手法で進める在宅勤務導入コンサルティングで成功実績を出し、企業での在宅勤務(テレワーク)も専門とする。

真のダイバーシティを推進 Professional success&Personal happinessを目指す

企業の多様な人材活用・働き方をサポートするコンサルタント、パクさん。日本で初めてワークライフバランスを推進するコンサルタントとして独立した。ここ数年力を入れているのが「ダイバーシティ」。女性活用だけではない、真のダイバーシティを促進する意義やパクさんの仕事ぶり、また今が一番幸せという独立についても伺った。

真のダイバーシティ推進 「私にしかできない」

パクさんがここ数年最も力を入れているのはダイバーシティ(多様性)。企業のダイバーシティとは、女性や外国人、障害者を活用することだけではない。パクさんが推進するのは、地域や世代や性別など全て取っ払って、差別や偏見なくどんな違いも尊重され、誰でも気持ちよく働ける環境だ。日本では誤解されがちだが、男女の差だけではない。
ダイバーシティの目的は企業競争力を高めること。変化の激しいいま、ひとくくりにできないニーズや価値観が多くある。多様なニーズに対応できる人が集まることで競争力が高まり強い会社になる。またダイバーシティが浸透すると、軋轢や摩擦がない環境となり、個人のベストな力を発揮でき、結果としてさらに会社全体のパフォーマンスが向上する。
パクさん自身がダイバーシティを体感してきた。日本生まれ、韓国籍、アメリカの大学を卒業し、米国系企業に勤めた。香港、シンガポールなどダイバーシティが浸透している環境で多様な人と働き、日本と海外の違いに触れた。米国・アジアに精通したパクさんだからこそできること。「私にしかできない」というものを大切にし、女性活用が課題、年配の男性が会社のトップ層を占める日本で、パクさんによってすべての人に真のダイバーシティを自分ごとと思ってもらう。

独立当初はワークライフバランスが使命 個人の能力が最大限発揮できるように

独立した当初は、ワークライフバランスに尽力した。外資系にて様々な人と働くうち日本と海外の働き方の違いに気付き、危機感を覚えた。日本は海外よりもプライベートを犠牲にしてまで長時間働いているのに経済が全然よくない。働き方を変えてこそ経済がよくなると思った。
日本にもワークライフバランスに関する制度はある。ただ、子育て支援、女性支援に偏りがちで男性中心の社会では活用しにくい。「仕事での責任を果たしながら、育児に限らず趣味や勉強など、仕事以外にも個人が大切に思っていることができるよう働き方を変えたい。結果として仕事にも活きる」。これがパクさんの活動だ。 取り組みの一貫としてテレワーク(在宅勤務)支援も実施。メールのみで場所を問わず仕事ができる。休業支援から活用支援に、両立支援にと、8年間程活動してきた。
成果が現れ、課題も見えた。もっとワークライフバランスを推進するには、ダイバーシティの推進が必要。ダイバーシティが浸透すれば、誰もが持っている「自己ベストを発揮したい」という思いが実現できる。ここ数年新たに力を入れている。


大切なのは意識と行動変革! 日本の大手企業にむけて気付きを多くする研修

「結果を出すには仕組みだけでなく行動!」。現在パクさんがメインで取り組んでいるのは企業での意識と行動変革の教育だ。日本は制度作りが好きで、作ったらおしまい、活用に至りにくい。制度ではなく、社員と部下を率いるマネージャーの意識と行動を変革させたいと、繰り返し力強くおっしゃった。
現在日本の大手企業を中心に啓蒙活動に励む。パクさんが推進したいのはワークライフ「マネージメント」。マネージャーへはダイバーシティマネージメントスキルを身に着けさせたい。外資系より国内企業が多く、労働組合での講演もする。3ヶ月や6ヶ月のプロジェクトのこともあれば、役員との対談に呼ばれることもある。研修では、自ら考えてもらうグループワークを多く取り入れ、発言と意見交換を促し、ディスカッションが多い。多くの気付きを与え、行動へつなげる。国際競争力を高めたいとすでにダイバーシティに取り組んでいる会社を、さらに前進させる。
外資2社で経験したことも活きている。英語でのダイバーシティ研修の打診がいくつかあり、かつてプログラム開発をして自分で実行していたことを活かしながら現在プログラムを作成中だ。営業は、パクさんの思いに共感したパートナーさんなどが協力している。

目指すは「Professional success &Personal happiness」全ての人へ

パクさん自らワークライフマネージメントを実現している。独立後は、柔軟で自由。会社に必ずしも毎日行く必要がなく、どこでどのように働くかも自分次第、方向転換も簡単。これからも、韓国、日本、娘のいる場所を転々としテレワークをしつつ、どこにいようとダイバーシティに取り組み続けたいと語るパクさん。日本企業の「働き方を変えたい」という意欲は衰えない。
現在、お子さんは2名。家族との関わりもとても大切にしている。18時以降は仕事をしないと決め、平日3回と土日は家族揃って食事。テレビは付けず、子供とは学校での出来事などたわいもないことを話す。企業勤めしていたころと違いフレキシブルに働けるため、子供の授業参観にも行ける。また、自らの健康が大事と週に3回程度はランニングも。独立して10年、仕事も精一杯、子供と接する時間を十分にとり、自らの時間も充実。「人生で今が一番楽しい」と楽しそうに語る姿が印象的だった。
パクさんのモットーは全ての人への「Professional success & Personal happiness」。仕事もプライベートも自分らしく輝けるようにする取り組みに、グローバルに競争力を高め、多様かつ優秀な人材を求める企業から今後さらに依頼が来るに違いない。

(インタビュー・ライティング/横田響子・高見純子)