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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

“女性を元気に輝かせること”を<br/>追求し続ける次屋さん
Interview vol.72

“女性を元気に輝かせること”を
追求し続ける次屋さん

TSUGIYA TAEKO PLANNING OFFICE 次屋妙子さん

https://www.tsugiyataeko.com/

7年間の専業主婦時代を経て、35歳で大手イベントスクールに入学。首席で卒業後、数多くの女性イベントを手掛けている。2004年から「夢をかなえる大人の学校-サクセスウーマン講座」を開講。トークショーの企画構成から演出に至るまでトータルプロデュース。 その他、インタビュアー、フォトグラファーとしても活躍。現在、全国各地で「35歳から夢をかなえる方法」などと題した講演活動も。2009年より女性の活躍をあらゆる角度から応援するクロスメディアプロジェクト「百花プロジェクト」をスタート、代表を務める。

“女性を元気に輝かせること”を追求し続ける次屋さん

35歳でイベントスクールに特例で入学、首席で卒業後イベントプロデューサーとして200名規模以上の女性イベントを10年間で50以上手がけてきた次屋さん。「経営者として参考にならないかも」とご本人は言うが、コネもお金も人脈もない状態から、決して甘くはないイベントの世界で10年も仕事を続けてこられた秘訣を伺った。

7年間の専業主婦時代、自分探しの末に見つけたもの

文章を書くのが好きで、ジャーナリスト志望だった次屋さん。学校卒業後は新聞社に入社するものの、配属されたのは経理部、挫折を味わう。「辛いことから逃げるのは簡単。」続けたことで、お金の流れや華やかな表舞台を支える裏方の存在の大切さを知る。この経験がなかったら、「私は生意気な女になっていたかも知れない」と振り返る。
その後結婚し専業主婦となるが、何か自分にしかできないことで「ありがとう」と言われたい、必要とされたい、という想いがあった。周囲も呆れるほど数々の習い事をした自分探しの7年間。次屋さんの人生最大の転機ともいえるイベントスクール入学のきっかけは、35歳という年齢と自分が本当に好きなことや人から褒められたことの“棚卸し”だった。「自分自身で区切りをつけなければならない年齢だと思って。好きなことや褒められたことを素直に受け止めました。自分の表現力が社会に通用するかジャッジが欲しかった。」

入学資格30歳までという年齢制限の壁も熱意で乗り越え、特例の入学許可。「自分探しはこれで最後」とご主人を説得し、猛勉強した。優秀なクラスメイトたちを差しおき首席で卒業した日のことは今でも鮮明に思い出す。イベントプロデューサーとしての幕開けの日となった。

コネもお金も人脈もなし。大きな仕事のチャンスを掴んだきっかけ

イベントスクールを首席で卒業したものの、そう簡単に仕事が舞い込んでくるような甘い世界ではない。 コネもお金も人脈もない次屋さんは、イベントの受付のアルバイトなどをしながら「いつか」来るチャンスに備えた。自信はなかったが、なぜかいつも「確信」だけはあった。「首席」で卒業したという小さな誇りだけが自分を支えていた。「情熱は裏切らない。努力は嘘をつかない。誠実は消えない。」そう呪文のように自分に言い聞かせながら、様々なイベントにも足を運び続けた。
そんな中、思わぬ場面で大きなチャンスが到来。ある時友人に誘われていったトークイベントの内容にとてもがっかりさせられるという出来事が。文句を言って帰ることは簡単だったかも知れない。しかし、次屋さんは違った。帰り際、イベントの主催者にわざわざ挨拶をしに行ったのだ。そして自分もイベントに携わる人間だと伝え、イベントに対する熱い想いを語ると、「今度企画書を見せてください」という願ってもいなかった流れに。
スクール在学中からずっと考えていた、女性のためのイベント。いつかやってみたいと思い描いていた青写真を企画書にした。これが、次屋さんの代表的な仕事でもある、女性のためのトークショー「サクセスウーマン講座」の始まりとなる。

五感で感じる心地よい空間を追い求める、純粋な気持ち

様々な分野で活躍している女性をゲストに、次屋さんがMCをつとめるトークショー「サクセスウーマン講座」。「夢への挑戦に手遅れはない!」をメインコンセプトに“何かをはじめたい”多くの女性たちに元気を与えている。大切なのはトーク内容だけではない。視覚(映像)・聴覚(BGM)・嗅覚(お香)・味覚(食べ物、飲み物)・触覚(交流)の五感で感じる一体感にこだわった空間演出も重要な要素だ。
五感のひとつ「味覚」の演出のために、飲み物を提供する大手飲料メーカーとのスポンサー契約に、ひとり企画書を握りしめ交渉に臨んだ。「御社の飲料で一緒に女性たちを元気にするイベントを作りたい」と熱く語ると、「誠実な人柄が伝わった。長くお付き合いしたい方」と判断され、飲料メーカーの担当者が「めったにない特別なこと」と言うほど異例の即決済となった。
2004年から続けている「サクセスウーマン講座」だが、当初は持ち出しも多かった。それでもお金は後からついてくる、とお客様の満足を一番に考えやってきた。現在ではリピーターも多く、遠方から泊りがけで参加してくださる方も多い。開講から10年、今春から株式会社ポーラとの新たなアライアンスが始まり、より多くの女性たちを応援するステージへと進化を続けている。


20歳からの蓄積と、いくつもの肩書きを武器に。女性に元気を与えたい

イベントプロデューサー、フォトグラファー、インタビュアーなど多くの肩書きを持つ次屋さんだが、現在のメインプロジェクトは、女性のパーソナルブランディングを写真、映像、イベントなどトータルで提供する「百花」。多くの分野にまたがるプロジェクトを抱えているようだが、実はシンプル。「サクセスウーマン講座」もその中の柱のひとつで、「女性を元気に輝かせる」ことを軸にその都度肩書きを着替えながら、女性たちのパーソナルブランディングをワンストップで行う。多彩な表現力を持つ次屋さんならではだ。
表現やアイデアの元となるのは20歳の頃から続けている「1000本ノック」。一年間に本100冊、映画100本、美術館に100回足を運ぶ、など。企画は記憶と記憶の連鎖から生まれる。インプットがなければアウトプットにつながらない。地道な蓄積が活きてくる。こうした目に見えない努力の積み重ねによる知的財産への対価、という認識が日本ではまだ遅れている。正当な評価につなげることが課題だ。
いつかは、女性にフォーカスしたテレビ番組を作ってみたい。見た人から、「何だか元気になると思ったら、やっぱりこれ次屋さんが作ったんだ」と言ってもらえるようになることが目標だ。