女性社長.net

  • メール
  • facebook
  • twitter
  • Ameba

メルマガ登録

女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

「料理はコミュニケーションの最大の武器」<br/>1人でも多くの女性を輝かせたい。
Interview vol.30

「料理はコミュニケーションの最大の武器」
1人でも多くの女性を輝かせたい。

Assiette de KINU 尾田衣子さん

http://ryo-ri.net/

大学卒業後、仕事をする傍ら辻クッキングスクールで、日本料理・西洋料理・中華料理の基礎を学ぶ。 教室終了後、教室のアシスタントを経験。その後フランス料理を深く学ぶため、ル・コルドンブルー東京校に入学。料理ディプロムを取得。イタリアフィレツェにて家庭料理コース終了。 現在、フランス・イタリア家庭料理や簡単にできるおもてなし料理を中心に渋谷・横浜にて料理教室「Assiette de KINU(アシェット ド キヌ)」を主宰。 また、外部講師を始めTV出演、雑誌・企業へのレシピ提供なども行う。

「料理はコミュニケーションの最大の武器なんですよ」作る人にも食べる人にも幸福を与える料理によって、1人でも多くの女性を輝かせたい。

幸福を感じるには2つの方向があると思います。1つはワクワクする高揚感、もう1つはリラックスできる安心感。尾田先生の主宰するアシェットドキヌは、その2つが絶妙にミックスされた空間。教室も先生ご自身も華やかで洗練されているのに、アットホームで和んでしまう。教えていただく料理も、もちろん華やかさと温かさが共存しています。一見相反する要素をあえて両立させているのは、「作る喜びを味わって欲しい」という先生の強い思いの反映でした。

「料理」と「教えること」。2つの好きが結びついて、独立。

料理自体は昔から好きで、東京出身のくせに大学時代から一人暮らしをして、友人をよんでパーティを開いたりしていました。でも当時は料理を仕事にする気はなくて。普通にOLとして就職し、料理教室には趣味として通っていました。基本を一通り勉強した後、1年くらいアシスタントもしましたが、仕事にしようとは考えていませんでした。
料理の先生になりたいと思ったのは、「人に教えること」に興味があると気づいたからです。人事部門で採用や社員教育を担当していたのですが、その時、人が育ってくれることが「おもしろい」と感じて。好きな料理を教える仕事がしたいと思い始め、尊敬していたシェフに薦められてアシスタントを辞め、コルドンブルーで2年勉強をした後、退職して教室を開きました。
最初は「教える練習をしたいから」と、友人に2~3人集まってもらい、材料費だけでやっていました。人事時代に採用した人達が友人を連れてきてくれ、徐々に広がって今は、渋谷と横浜の2箇所で教室をやっています。最初のうちは、収入がなくて派遣会社で週3回くらい働いたりもしましたが会社員に戻ろうとは思わなかったですね。もともと自由でいたくてサラリーマンは無理だなと思っていたので(笑)。決められたことだけをするのは苦手みたいです。

「手をかけずに豪華」な料理で、作る喜びを覚えて欲しい。

私の料理のコンセプトは、「身近な食材を使って、手を抜きつつ豪華に見える」ということ。なんで手抜きかと言うと、苦手な人でもまた作れるからです。料理教室に来るのは料理が得意ではない人も多いですよね。それなのに、いきなり手間をかけるようなものだと1回限りになってしまうでしょう。それよりは、まず「出来る」という成功体験を味わって欲しいと思っています。
料理が出来なかった子が上手になるのを見るのは、本当に楽しいです。独立した当初から通ってくれていた子がいるのですが、最初は包丁すら持ったことがないような状態でした。でも毎月ちゃんと来てくれて、2年たった頃には彼女が他の人に三枚おろしを教えるまでになりました。「すごいなー、こんなに出来るようになったんだ」と感動したのを覚えています。今、その子は結婚して、子供も生まれて毎日ちゃんと料理をしているんですよ。 教室では、私以外にクロアチアやアルメニア、タイやベトナムなどの先生に各国の家庭料理を教えていただいています。もともとは自分が学びたいと思って始めたのですが、今の生徒さんは、食に詳しい方も多いので新しい知識が得られると好評です。先生が時々、失敗しちゃって「きっとオーブンがおかしいのよ」なんて言ったりすることもあって(笑)。アットホームな雰囲気なのも人気の秘密かもしれません。

料理教室とメディアでの活動を両輪に、ビジネスとして確立させたい。

もう1つ、今後の柱にしたいのがメディアでの活動です。最初に掲載していただいたのは「エル・ア・ターブル」の「料理業界人フードバトル」というコーナー。4人の料理家がレシピを出し合って読者の方の人気投票で順位が決まるというものです。「カレー対決」の回で優勝したのがきっかけで徐々にメディアの仕事も広がってきました。現在は、「辰巳琢郎のワイン番組」などのTV番組や雑誌などでレシピ提供をしたりしています。レシピは作品のようなものですから、多くの人に見てもらえるのは嬉しいことです。教室とは違う意味で、やりがいがあります。
メディアを重視しているのは、今後の展開を考えてのことでもあります。メディアの仕事は収益が安定しているのですが、教室は自分が習う側の感覚で始めてしまったので、ビジネスとして成立していない面もあるんです。個人経営だと生徒さんも気が緩むのか、無断でキャンセルされたりする方も時々います。食材は保存がきかないので、その分無駄になってしまう。今までは人を集めることに重点を置いていましたが、今後は教室の制度も整備していきたいと思っています。そのためにも知名度をアップさせ、教室の信用を高めていくことが重要だと考えています。ビジネスとして安定すれば、スタッフを入れてもっと良いものを提供することも可能ですから。

料理はコミュニケーションツール。そのメッセージを伝える「核」を見つけたい。

「料理研究家」が溢れている中で、今後は自分の柱になるものを掘り下げて、特徴を明確にしていかなければと思っています。野菜が好きで新しい野菜でレシピを考えてみようとか、豆の卸で働いていた知識を生かしてお豆を使ってみようかなどと考えている最中です。野菜も豆も健康にもいいですしね。もっとも、私は眉間にしわを寄せて作るような料理はしたくありません(笑)。私が作りたいのは、健康にもいいけれど、美味しくて見た目も良い「楽しく生きていく」ための食事。心のゆとりにつながるような料理を提供していきたいと思います。
料理ってコミュニケーションツールなんですよ。面接みたいに堅苦しいより、食べ物やお酒があったほうが絶対に話が弾むでしょう。外食でもいいけれど、相手も作った人を目の前にして食べたら、絶対に気分が違うんです。料理は自分1人のために作るものではない、というのが私の持論です。褒められたり、認められるためにしている部分が大きい。女性は料理をする機会が多いので、1人でも多くの方の「特技」を増やしてあげたいと思っています。
その中で「先生になりたい」という人にも道を開ければと思います。料理界は派閥があって、やりにくい面もあるみたいですが、私自身もOL出身で何もないところから始めています。アシスタントや講師として先生になりたい人を支援していきたいですね。やりたければ絶対にかなう、というのは身をもってわかっていますから。