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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

スクールで学べない、<br/>癒し系のための実践的経営を伝授。
Interview vol.27

スクールで学べない、
癒し系のための実践的経営を伝授。

有限会社パワーエンハンスメント 三根 早苗さん

http://power-en.com/

1973年生まれ。 京都大学大学院工学研究科卒業後、住友化学工業入社。有機合成研究所にて医薬品の製法開発に関わる。 2002年リラクゼーションサロンTournesol開業。2004年セラピストネットワーク「わくらく」を立ち上げる。 2005年「わくらく」の活動を基に有限会社パワーエンハンスメントを設立。

スクールで学べない、癒し系のための実践的経営を伝授。

関西で「わくらく」を主宰する三根さんは、以前から「輝く女性の生き方100」などで存じ上げていた。 なぜ、彼女が出版に至ったのか、現在の事業やセラピスト事情も 含めてお話しを伺った。

東芝のCMを見て化学者を目指していた学生時代。

小さいころから、実感したことや身近なものからヒントを得ることが多かったです。だから目指していたのは先生。小学校の時は習字。中学校時代は英語・数学。すべてその時代その時代の得意分野。身近で尊敬できる人が先生だったんですね。そして大学進学を検討しているときに、すごく進路を考えさせてくれる先生に出会ったんです。理系だったので、結構女性が多い薬学部にしようかな?と漠然と薬剤師という仕事を目指していましたが、「薬剤師の仕事は医師の言ったことに対して薬を調合する仕事で 受身的な仕事なんだよ。」と先生にアドバイスを頂き、考えさせられました。 そこからちゃんと仕事について考えるようになって出会ったのが東芝のCMです。人工角膜・人工皮膚をCMで知り非常に興味関心をそそられました。ただ、どうやったらその仕事に関われるのか分からなかったので、進路案内の本を読み漁ったり、進路相談の窓口に手紙を出してみたりしました。田舎だったので情報を取るのが大変な時代でしたね。いまならインターネットですぐ分かるかもしれませんが。そうすると医学部とか工学系とか化学とかだな、とわかり生化学の分野を選択し大学進学。大学院を経て、住友化学に入社し、医薬品の研究に携わることになりました。

29歳のチャレンジ。「好きを仕事に」を目指してアロマセラピーで独立。

98年入社後は、4年半医薬品の研究を行ってました。しかし、医薬品は安全性が非常に求められるため1000分の3の確率でしか商品化されません。コストや品質の担保を考えながら作るのですが、治験を行っているうちにボツになる。とにかくずっと携わっていても商品化できる製品に出会う可能性がかなり低く達成感を見出しにくい環境でした。そんな時、アロマセラピーで独立・開業!というチラシを何かで見かけました。もしかしたら、アロマの世界の方が達成感を感じられるかもと思い、仕事と平行して1年は通信教育で勉強を。さらに1年アロマスクールにも通いお友達に施術することで実践経験を積みました。アロマは、実際に喜んでもらえる実感がありとてもうれしかったので、2002年に思い切って独立。ホームサロンから始めたんです。30歳を前にして焦っていたんですね。このまま成果がでるか分からない薬品開発を続けるのか、実感が持てるアロマにかけるのか。学校では、アロマのすごさを共有できる仲間がたくさんいたので、「これなら大丈夫」と思い込んで独立にいたりました。これまでのキャリアを考えるとかなりのチャレンジでしたが、スクールから独立して上手く軌道に乗せている人たちの話を聞いていたので、頑張れば大丈夫、と行動に移しました。

学校では教えない商売を教えるサークル「わくらく」

ところが、ホームサロンを開いて自営の大変さを実感。半年はチラシを近所のカフェバーや美容院においてもらったり、頑張っていたらいつかお客様が増えてくれる、と思っていたんです。人を癒す仕事がしたいのに、雑務に追われっぱなしの上一向にお客が増えない。半年たって貯金が無くなっていくことに本当に焦りを感じたんです。そこで、アロマの同期卒業生を訪ねました。実は、開業に踏み切っていない人、踏み切ってもうまくいっている人がいなかったんです(笑)。スクールは開業のバックアップもしますよ、と言いますがフォローが足りない。スクールは技術や知識は教えてくれますが、経営や集客は教えてくれない、という現実を目の当たりにしました。だったら卒業生でお互い助け合う仕組を作ろうと、セラピスト集団「わくらく」を立ち上げました。
まずはお試しの機会を持ってもらおうと、通常、6000円するサービスを、わくらくイベントにて15分1000円くらいで試してもらい、気に入ったら各サロンを使ってもらうという流れにしました。そのうち開業届けの出し方、チラシ・HPなど広報の仕方についてもニーズが出てきたので、私自身は皆さんをサポートする側になることにしました。好きを仕事にしたいかたがたに本業に専念していただく仕事です。また、皆さんにハクをつけてもらうため共同で出版なども行ってきました。


癒し系のスペシャリストサポートから、大学と連携した女性の起業支援も始動。

2004年に「わくらく」を立ち上げ、現在は60名ほどの会員がおります。癒し系の業種中心となっており、イベントの開催ほか、企業やパーティーにセラピストを派遣するサービスから販促ノウハウのバックアップまで実施しています。会員にはインキュベーションセンターの利用が初期費用半額になる特典も。地域によって特色が異なるため私は関西を中心に。各地域でも同様の試みをリーダーシップが取れる方と組んでいます。私の役割は「好きを仕事にしたい人たち」の意識・知識レベルの底上げ。知識を効率的に享受でき、仲間とともに頑張れる場づくりをしています。主婦の方がホームサロンを開業し、頑張っていると、子供や旦那さんに胸をはって仕事をしていることが言える。自宅での開業なら月間10万くらいの売り上げを。サロンを持ったら30万くらいを目指す方が多いです。上手に稼げるようになるために今後も支援を行っていきたいと考えています。
また、昨年から京都大学と組んで起業支援講座も開始しました。教授陣による理論的な経営学と私の実戦経験をうまくブレンドさせた講座です。今後もこういった大学との連携を強めたいと考えています。