女性社長.net

  • メール
  • facebook
  • twitter
  • Ameba

メルマガ登録

女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

黒子に徹する「幸せな生き方」の伝道師
Interview vol.18

黒子に徹する「幸せな生き方」の伝道師

有限会社GMJコンサルティングサービス 小野 裕子さん

http://www.biztool.jp/

日本大学大学院芸術学研究科修士課程修了芸術学修士号取得。ゲリラ・マーケティングインターナショナル公認トレーナー。 個人事業主として、マルチメディアコンテンツ企画立案、ディレクションを経験した後、ビジュアライズシンキングやイメージワーク、マーケティング、チームビルディングの研修・トレーニング、業務改善を専門に行う。2006年1月、有限会社GMJコンサルティングサービスを立ち上げ、人材育成・組織開発に関わる研修・講演や、マーケティングツール企画制作など、幅広く事業を展開している。「88の質問for顧客視点」などのオリジナルマーケティングツールが 講談社Biz「お客の心に飛び込め!」に採用される。また、自身が続けている「イメージ日記」に関する著書も来春出版予定。

黒子に徹する「幸せな生き方」の伝道師

目標をうかがった時に出てきたのは「小野裕子という人間を残したくない。関わった人にも早く忘れて欲しい」という一言。人材開発のプロとして人々の転機に立ち会う人には一見そぐわないメッセージには、「きっかけや方法を提供した側(=小野社長)ではなく、その方法・ツールを活用して頑張った自分への誇りを持って欲しい」という愛情があふれていました。 書籍の出版などますます活動の場を広げる小野社長に、仕事について、またシングルマザーとして、ともに成長する娘さんとの関わりについて聞きました。

チームビルディングの手法が認められ、人材開発へ。

現在の仕事の中心は人材開発です。もともとWEBサイトのディレクションやプロモーション活動などを個人事業主として請け負っていましたが、どの仕事も1人ではできないんですね。協力してくれるメンバーを集め、チームを作る必要があります。ただ、人を集めて納品するだけが目標になってしまうとプロジェクトの真の目的が共有されず、クライアントにとってもメンバーにとっても良い仕事にはなりません。そのためにモチベーションが上がるチームビルディングの手法としてイメージを使っていました。例えば「このプロジェクトはスペースシャトルで、皆が乗組員。全員の力が必要で各々成長することで良い仕事ができる」ということを絵で表すと、言葉より意味がよく伝わるんです。それを見ていたクライアントさんから「その手法の方を教えて欲しい」というニーズが強まり人材開発にシフトしていきました。起業は考えていなかったのですが、取引先から「仕事を増やしたいので(経理上)法人格にして欲しい」とご要望をいただき、法人にしたのが2006年1月です。

「幸せになる」ためのスキルがある。

GMJの強みは問題解決をするためのツールの開発力です。解決すべき問題とは「幸せになる」ことに対する問題です。「幸せになる」って、実はスキルなんですよ。自分の「ありたいイメージ」を明確にして、そこに辿り着くまでのプロセスを見つければいいんです。私達は長期的で漠然とした「ありたいイメージ」と、そこに向かうための「具体的な短期のゴール」をあぶり出すツールを個々人や企業にあわせて開発しています。
手法としてはイメージワークをよく使います。イメージ力は人間であれば絶対に持っています。「これが食べたい」も「こういう話し方をする人は、こんな性格」も全部イメージです。ただ非論理的なために、論理的な言語に比べて意図的に使えない人が多いです。例えば「仕事だから」と感情を押し殺したりするでしょう?でも感情はそこにあるので、受け止めないといずれ暴走します。ヒステリックになったり、ひどいと鬱になったり。イメージは自分の内面と対話するツールです。他者とコミュニケートする論理的な言語とは車の両輪です。このふたつのバランスがとれるようになると、イメージによる「例え」を使うなど、論理だけに頼るより正確に自分の思いを伝えることができますよ。

イメージを使いこなすと、自分を客観視できて楽になれる。

ここ3年、その日にあったことを1つの絵にする「イメージ日記」をつけています。それが出版社の方の目に留まって2008年4月に出版の運びになりました。この日記をつける前は、私自身、不愉快なことがあるとネガティブな感情に振り回されてしまっていました。でも絵でアウトプットするためには、物事を具体化する必要があります。同じ不快なことでも「石のように硬い」か「ナイフで切られるよう」かでは違う絵になりますから。絵にするために感情を解釈する作業を繰り返すうちに、徐々に自分を客観視できるようになりました。今は嫌なことがあっても、なぜ辛いのか、どう対処したら良いかが自分で理解できるので、以前よりずっと冷静でいられます。
この本はビジネスのツールというより、求められる役割に一生懸命になりすぎている人に読んで欲しいです。「いい子でいなきゃ」と自分を後回し続けることは、自分を騙すことなんですよね。行き過ぎると自尊心が低くなって辛くなってしまう。もっと気楽でいい、というメッセージが伝わればいいなと思います。事業としては、ツール開発ができる人をもっと育て、その人達が能力を発揮できる場所を増やしたいです。今、考えているのはトレーニングジムのような「箱物」の施設と、ドリル形式の通信教育。この2つは、いずれ実現させたいですね。

娘と一緒に「365日ゆるやかに働く」。自分を育て直す幸せを味わいながら。

今は小学2年の娘と2人暮らしです。娘にとっては私が仕事をしているのは当たり前です。お腹にいるときから働いているので。たとえば社内会議で私たちがマトリックスを使ってリストアップ作業などをしていると、隣で自分で同じような用紙を作って、一生懸命真似をしています。男性スタッフ2人も自然に受け止めてくれて、ファミリーや共同体に近い環境ですね。娘が職場の潤滑油になってくれる面もあります。最近では、仕事でキツイ言い方をすると娘から、「ママの気持ちはすごくよくわかるけど、そういう言い方はないと思うよ」と諭されたりするんですよ(笑)。
子供を育てることで、自分を育て直している所がありますね。私は躾の厳しい家庭で育ち、物心ついてからのスキンシップの記憶がないのですが、発達心理学では「幼児期に全存在を肯定されないと変な自立性がつく」といいます。甘えたいのに甘えられないというひねくれた自立性らしいのですが、思い当たる節があるので(笑)、ハグをしたり「あなたが大好き」ということだけは娘にはきちんと伝えます。それ以外は「なんちゃってママ」と言われてますけどね(笑)。それに、娘といると自分もすごく優しくなれるんです。無条件で自分の存在を認めてくれる人がいるってすごく幸せなこと。娘の成長に応じて環境は変わるでしょうが、365日ゆるやかに働きつつ、彼女がどんな人間に育っていくか、楽しみに見守っていきたいです。