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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

働きたい側ができること、<br/>やりたいことをアピール!
Interview vol.3

働きたい側ができること、
やりたいことをアピール!

TACHIKARA LABEL株式会社 角貝 恵さん

http://on-wave.jp/index.html

1971年、群馬県生まれ。デザイン会社に就職。 そのかたわらデジタルハリウッドでweb3Dの技術やwebプロデューサーのノウハウを学ぶ。 デザイン会社、web制作会社を経て、2005年6月にTACHIKARA LABEL(タチカラレーべル)有限会社を設立。 2007年6月に同社を株式会社へと変更、自社媒体として「はたらくNavi」をスタートさせた。

働きたい側ができること、やりたいことをアピール!新発想の求職サイトで人材と企業のベストマッチングを

有限会社の設立から、株式会社への変更、自社媒体「はたらくNavi」の立ち上げと、わずか2年の間にスピーディーな変化を成し遂げた角貝さん。このスピーディーな変化の陰にはさまざまな人との出会いがあった。 また、「働く=つらい」という雇用の概念を一新させる「はたらくNavi」のアイディアはどこから生まれ、どこへ向かっているのか。さらに彼女にとって「働く」ことはどんな意味を持つのかなどに迫ってみた。

現場の人間の努力が報われる、そんな会社を作りたくて起業へ

起業を思い立ったのは、あるweb制作会社で働いていたときです。その会社では、幹部同士の人間関係が悪化していましたし、現場の人間が一生懸命働いても、経営者の誤った判断によって台無しになるというか、努力が報われなかったのです。たとえば、自分で営業して案件をとってきても、それで得た収益が全然違う業種へ回されたり、働いてもいない役員の報酬になったり。トップのやり方に納得できない社員が多く、その中から最初は気の合う3人で会社を始めようという話が進んだのです。1人が営業で、1人がシステム、私がプロデュースのような役割分担の予定でしたが、方向性の違いや金銭面の問題もあり、結局、2人はほかの会社へ転職し、私が1人で会社を起こすことになりました。
そんなとき、ある社長さんと知り合ったのです。その社長さんから、「新しく会社を始めるならば、無料で、会社が軌道に乗るまで事務所の一角を貸してあげるよ」と申し出ていただき、お言葉に甘えることに。場所の提供だけでなく、アドバイスなどもしていただいたので、その社長さんへの感謝の思いを込め、社名の一部を使わせていただき、「タチカラレーベル」という会社名にしたのです。

「はたらくNavi」で、働きたい側にアピールする場を提供

会社は2005年6月、資本金30万円の有限会社でスタート。Webや紙媒体のディレクションや制作業務を行ってきたのですが、自社媒体として今年6月に「はたらくNavi」をオープンさせました。「はたらくNavi」は、働きたい側が自身の能力や望む働き方をアピールし、それを見た企業側がアプローチするという、新発想のサービスです。
そのヒントをくれたのは私の父でした。私の父親は64歳で建設会社の社長をしていますが、建設業界もなかなか厳しく、新規顧客の開拓は難しいのです。そこで、インターネット上に父親ができることや、やりたいことをアピールする場を作ってあげたらいいのではないかと思い立ったのです。そこから発展して、今までのように個人の能力の一部分を企業が募集している枠にあてはめるのではなく、働きたい側から自分の能力や、望む働き方をアピールする場があってもいいのではないかと思い、「はたらくNavi」を立ち上げることに。運よく、わが社の顧客の1人である、工場の社長さんが、このコンセプトに賛同してくださり、個人で出資をしてくださることになったのです。私の出資分と合わせて資本金1000万円とし、今年6月に株式会社へと変更しました。

意欲はあるのにチャンスがなかった人たちの夢を叶えたい!

たとえば、とてもカメラが好きで、カメラに関する知識が豊富な人がいて、そのことを生かして働くことができたら、働く側は誰かの役に立っていると感じ、働くことに幸せを感じるでしょう。また、未経験でも意欲は高い人が「安い給料でいいから経験を積みたい」と思っても、なかなかチャンスがないのが現状です。そういう意欲のある人たちの夢を叶えてあげられる場を提供できたらいいなと思っています。もちろん、企業側にもメリットはあり、モチベーションの高い労働を実現させ、有効な人材活用が可能になります。「はたらくNavi」には私以外に、3人の女性コンシェルジュがいます。そのうち2人は会社経営者でもあるのですが、それぞれマーケティングとコーチング、広報という形で参加していただいています。今後はコンシェルジュが中心となって、登録者(働く側)のためにマナー講習を開催するなど、登録者向けのサービスを充実させていく予定です。そして、今の段階では事業は人材と企業のマッチングにとどまっていますけれども、登録者がある程度増えたら、企業側が求める人材を私どもで探して紹介・派遣をする、というふうに段階的に展開させていくつもりです。

将来の目標は株式上場。そのためには合併もありうる

Webや紙媒体の制作業務と「はたらくNavi」の運営、どちらの比重が大きいですか?と聞かれることがありますが、私は両方を頑張っていきたいと思っています。制作の仕事は、もともと私自身が好きなことなので、これはこれでやっていきたいし、「はたらくNavi」は貢献度の高いサービスだと思っているので、こちらも続けていきたいからです。
将来の目標は、株式上場です。世の中から正式に認められる会社にしたいという思いがあり、45歳ぐらいまでには実現したいと考えています。そのためには、会社の合併も選択肢の一つだろうと思います。まだ株式会社にしたばかりですが、スピーディーにサービスを展開していきたいし、自分の会社=プライベートカンパニーとは考えていないのです。webサイトには流行があり、変化が早いので時間が少しでもあったら、情報収集にあてています。毎日家に帰るのは夜中になってしまいますが、私は好きなことを仕事にできているので、そんな生活をしていても前向きな気持ちでいられます。「はたらくNavi」の登録者も自分の好きなことを仕事にして、お金のためだけに働くのではなく充実した時間を過ごしてもらえたらいいなと思っています。

(取材・文 林 孝美)