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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

原点は「アルプスの少女ハイジ」。<br/>辛い時期も乗り越え今年で18年目!
Interview vol.102

原点は「アルプスの少女ハイジ」。
辛い時期も乗り越え今年で18年目!

株式会社インターサポート 浦沢みよこさん

1967年宮城県仙台市生まれ。高校卒業後バスガイドを経て、ニュージーランドに渡り 観光ガイドを務める。帰国後、英語学校、留学エージェント勤務を経て1996年、28歳で留学エージェント株式会社インターサポートを起業。会社経営と並行して宮 城大学に入学。渡航国は24カ国。NHK東北地方放送番組審議会委員、仙台フィルハーモニー評議委員。仙台市産業振興事業団理事。

原点は「アルプスの少女ハイジ」。辛い時期も乗り越え今年で18年目!

仙台で各種留学手配を請け負う株式会社インターサポートを起業し今年で18年目となる浦沢さん。 不景気や東日本大震災の影響で辛い時期も切り抜け、多くのお客様に満足度の高い充実した留学をサポートしている。「アルプスの少女ハイジ」に憧れ、小学生の 頃からしっかりとした金銭感覚を持って渡航資金を貯めていたというエピソードから、会社経営と並行して大学に入学し「女子大生社長」となったきっかけや学生 生活で得たことなどたくさんのお話を伺った。

「お金は貯めるもの」小学生の頃から渡航資金を貯める

大学で研究者をしていた父親の影響もあり、幼少の頃から常に海外を身近に感じていたという浦沢さん。休日には家族そろって旅行番組を楽しみ、父親の海外赴任 の話が持ち上がったときには家族全員で盛り上がった。小学生の頃には「いつかスイスに行って、アルプスの少女はハイジのチーズが食べたい」という強い憧れを 抱いていたが、まず必要になるのはお金。今ほど簡単に海外に行けなかった当時、自分だけ親のお金で行かせてもらう訳にはいかない。「お金は貯めるもの」とい う意識を自然と持つようになり、お年玉を貯金するのはもちろん新聞配達のアルバイトもした。稼いだお金はグラフにつけて渡航資金として貯めていたという。初 めての渡航先はアメリカ。中2の時だった。
勉強が好きではなかったという浦沢さんは、高校卒業後「また海外へ行く為にお金を貯めたい」と就職する道を選択。3年半バスガイドとして勤務したのち、ニュ ージーランドに渡って観光ガイドを1年間務め、帰国後は英語学校や留学エージェントに勤務。起業のきっかけは、勤めていた留学エージェントが倒産の危機に陥 ったからだった。それまで起業を考えたことはなかったが「お客様に迷惑はかけられない」という思いから、28歳の時株式会社インターサポートを設立した。

強みはカウンセリング力。お客様が欲しい商品ではなく必要な商品を提案

「旅行業界は10年スパンで波がある」という浦沢さん。起業当時は、ワーキングホリデーブーム。設立から5年程は安定的な売り上げもあり順調なスタートアップ だったが、その後は日本の経済状況悪化からの留学離れや、東日本大震災の影響を受け辛い時期も経験した。インターサポートでは9割が仙台をはじめとする東北 地方のお客様。特に震災があった3月は通常なら留学のハイシーズンだったが予約は全てキャンセル。仙台でこの先の集客は見込めない。とにかく動かなければと 、東京に支店を持つことで切り抜けた。ここ最近は今までにない追い風を感じている。2011年から文部科学省だけでなく経済産業省も支援を開始し、国を挙げての グローバル人材育成が行われ、海外留学を選択する絶対数が増えている。震災後は海外へ子供を送り出すプログラムも増え、海外留学を考えていなかった人にも敷 居が低くなった。数年後にはグローバル人材として成長し日本経済に良い影響をもたらすはずだ。

インターサポートの強みはカウンセリング力。お客様が欲しい=その時に知っているプログラムではなく、必要なプログラムを提案する。大切なのは留学で得た経 験をどう活かしたいか。流れ作業的なサービスは仙台では通用しない。時間はかかるが、お客様一人ひとりの将来設計を見据えた提案を行う。留学後のイメージを 明確にする為、留学や就活の体験談を共有するランチ会も開催し、集客にもつなげている。

36歳で女子大生社長に!自分の可能性を知り仕事にも活きる

会社経営のかたわら36歳で宮城大学に入学した浦沢さん。入学の動機は「女子大生が社長だったら取材が来ると思った」から。実際たくさんの取材も受け、会社に とってもプラスになった。 1年目は夏休みは仕事ができてうれしい!と感じるほど学業との両立が大変で退学も考えたが、成績表に「優」が並んでいることに快感を覚えた。高校生の頃は苦 手だった勉強で飛び級ができるほど優秀な成績を修め「自分の可能性を知るいい機会になった」と振り返る。そんな浦沢さんの学生生活は、優秀な学生たちから刺 激を受けながら多くの気づきを得る充実した時間となった。今までは自分の意見を通して生きてきたが、人の意見を聞き整理しながら一緒に考えていくことが新鮮 だった。普通の学生は学問を経験に変えていくが、社会人だからこそ経験を学問に変えることができ、学問がいかに必要かを認識することができた。
大学に入って良かったことはそれだけではない。実際に学生たちの就活を間近で見たことが仕事に活かされている。卒業前にキャリアコンサルタントの資格も取得 。留学がどれだけ今後のキャリア形成に役立つか必要性を説得できるようになり、インターサポートの強みであるカウンセリング力の強化につながった。 お客様の8割がリピートや紹介であることからも、満足度の高さが伺える。

国を挙げてのグローバル人材育成強化の波に乗り、大学留学の商品を充実させたい

高いリピート率の秘訣は、丁寧なカウンセリング力だけではない。受け入れ先との信頼関係を築くことも大切な要素の一つだ。必ず現地の視察を行い、アップデー ト情報も必ず取得。現状の体制も確認の上、そこに合った学生を送ることが重要だ。起業して15年目くらいまではマネージャー職のような形でスタッフと共に現場 に携わってきたが、最近やっと社長業に専念できるようになったという。売上げが上がればスタッフを増員でき、分担が減ることでスタッフの相談に乗る余裕もで きた。現在は少し現場をスタッフに任せ、リーダーとしてみんなの意見を吸い上げ方向性を決めて導く役割を担う。
浦沢さんがインターサポートを経営するうえで大切にしている思いは「可能性を感じてあげること」。 自分自身も勉強が好きではなく高卒で就職したが、たとえその時勉強が得意でなくてもたくさんの可能性があることに気づいて欲しい。今後の目標は、大学留学の プログラムを強化すること。最近の国を挙げてのグローバル人材育成強化の波に乗り、しっかりとプログラムを紹介していきたい。また、国際交流という観点での アジア留学にも力を入れたい。インターサポートのサポートを通じ、これからも多くのグローバル人材が育っていくだろう。