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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

原動力は点灯する瞬間。<br/>イルミネーション業界で活躍する女性社長
Interview vol.100

原動力は点灯する瞬間。
イルミネーション業界で活躍する女性社長

株式会社グランクール 中川典子さん

近畿大学卒業後、デザイン会社入社。7年間、チラシやパッケージデザイン、ロゴデザインに携わり、転勤でアメリカのグループ会社配属に。アメリカの華やかなイルミネーションに感動し、帰国後はイルミネーション会社に勤務。5年ほど経験を積み2010年株式会社グランクールを設立。

原動力は点灯する瞬間。イルミネーション業界で活躍する女性社長

株式会社グランクールは、私たちが街中やショッピングモールなどでよく目にするイルミネーションを制作している会社。華やかさの裏にかなりの重労働。女性は少数派というイルミネーション業界で、デザインから施工管理までトータルに手掛けている。今年で会社設立から4年目を迎え順調に売上も伸ばしている中川さんに、起業のきっかけやグランクールならではの強み、今後の目標などを伺った。

アメリカのイルミネーションに感動!起業のきっかけは結婚願望?!

今年で会社設立から4年目となる株式会社グランクールの中川さん。日本でも数少ないイルミネーション会社を経営し、ホテルやショッピングモール、結婚式場などのイルミネーションやディスプレイを手掛けている。中川さんがイルミネーションの仕事に出会ったきっかけは、アメリカへの転勤。大学卒業後に入社したデザイン会社でチラシやパッケージデザインなどの仕事に携わっていた時、アメリカのグループ会社に転勤することになった。アメリカではどの家庭でも当たり前のように自宅をイルミネーションで装飾し、各地域でコンテストも開催されている。その美しさに感動した中川さんは、帰国後日本にもイルミネーションの会社があることを知り転職。初めて営業の仕事も経験したが、意外と楽しい!とイベントなどの企画会社やホテル、広告代理店などに積極的に営業して回った。
20代の頃から漠然と起業してみたいと思っていた中川さんが起業に踏み切ったきっかけは、結婚願望。当時「結婚して主婦になりたいけど、できなかったらどうしよう?」先が見えず不安になった。5年間イルミネーション会社で経験を積んだことで、仕事の取り方や仕入れ先とのつながりもできた。それなら自分の好きなことで起業しよう!と決意し、2010年株式会社グランクールを設立した。

売上は右肩上がり!強みはデザインから施工管理までトータルに行えること

お客様はホテルや式場の他、広告代理店が多く、大きな仕事はコンペで獲得する。起業1年目はコンペに力を入れすぎ営業ができなかったことを反省点とし、2年目・3年目は毎年前年の倍と順調に売上を伸ばしてきた。ニッチな業界のため仕事の依頼はWEB検索がほとんど。初めてイルミネーションを設置するお客様が多く、市場自体も大きくなっていると感じるという。昨年8月にHPのリニューアルを行い、SEO対策やリスティング広告の効果でさらに依頼が増えた。お客様の7割はリピート。シーズンオフに置き場所に困るイルミネーション資材を預かることで次年度の依頼につなげるのが業界内では定番のスタイルだ。
その他、年に2~3件コンペにも参加する。予算は数百万円~数千万円と仕事の規模によってまちまち。グランクールではまだ受けたことはないが、ホテルの庭や国立公園、遊園地など大きなものになると何千万単位になる。狭い業界なので、コンペに参加するとほとんどが知り合いで身内の戦いのような状況だが、お互いに良きライバルであり、時には協力会社にもなる。グランクールならではの強みは、電球など商品の仕入れも行っているので、いいものを安く提供できることと、デザインから施工管理までトータルで行えること。「デザインのみ」や「施工のみ」で請け負う会社が多く、また業界では女性はかなり少数派だが、中川さんは現場監督として設置作業にも立ち会い、ついつい職人さんの手伝いまでしてしまうという。

キレイなだけじゃない!参加型イルミネーションで売上につなげる

グランクールでは、ただキレイなだけではない売上や集客につながるイルミネーションを提案している。お客様からは、季節や催し物のテーマに合わせたものを依頼されることがほとんど。デザイン提案の前に必ずヒアリングしておくポイントは、色味やターゲット層。例えば、以前は青白い色味が流行していたが、最近では暖かみのある色が人気。時にはトレンドカラーやお店のテーマカラーを使用して欲しいという要望もある。また、ターゲット層がファミリーかカップルかでデザインの雰囲気はまったく異なる。さらにこだわりのポイントは、参加型イルミネーション。カップルで手を入れるとハートが光る物や、子供向けにスタンプラリーの仕立てになっていたり。プラスアルファの提案をすることで売上にもつながる。
7割方はリピートのお客様ということもあり、毎年その年らしさを加えたりしてデザインをバージョンアップさせていくのに苦労しているという。展示会で新しい素材の知識を仕入れたり、映像などイルミネーション以外のものとのコンビネーションなど常に新しいデザインを生み出すための努力は怠らない。中川さんが得意とするデザインは、アーチやリースなど小物を組み合わせるもの。機会があれば音と光が連動するようなイルミネーションも手掛けてみたい。

求人枠1名に80名もの応募が殺到!スタッフ増員でさらなる売上アップを目指す

クリスマスや年末年始のイルミネーション設置で立て込むのが10月~12月初旬。毎年この時期が一番の繁忙期だ。複数の現場を取り仕切るため、家に帰ることもできず現場で梱包材のプチプチの上で仮眠をとることもあるという。見た目の華やかさの裏にかなりの重労働がある。原動力は、「イルミネーションを点灯する瞬間」。実際に点灯してみるまで仕上がりがわからない。設置に立ち会ったお客様の喜びの声を聞くと感動もひとしお。この仕事をやっていて良かった!と思う瞬間だ。
昨年秋よりスタッフを1名雇い始めた。1名の採用枠に対し、なんと応募は80名以上。採用のポイントはイルミネーションに興味があることと、繁忙期の忙しさに耐えられること。中川さんと同じく営業から見積もり・提案、現場の施工管理までマルチに動ける人材を採用した。現在では小規模な現場はスタッフに任せ、大きな現場は2人で協力しあう体制だ。今後は1年に1名ペースでスタッフを増やしてお互いをフォローし合える環境を作り、売上もさらに伸ばしていきたい。プライベートでは、8月に結婚予定。お相手は中川さんの仕事にもとても理解があり、自宅に帰れない程多忙を極める繁忙期には率先して家事もしてくれるという。会社経営もプライベートも、これからが楽しみな中川さん。今後の活躍に期待が高まる。