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女性社長インタビュー

業歴5年以上の方をメインに、会社員時代のキャリアや独自のアイデアを活かしているスタートアップの方まで。
企業の裏話や事業継続の秘訣などを伺っています。

内閣府共催 女性社長×企業マッチング
Interview vol.108

内閣府共催 女性社長×企業マッチング

女性社長×企業プレゼンから受注までの裏話とその後      クリエイティブPR × ミス・パリ さん

https://joseishacho.net/2015_matching/

2013年より実施している内閣府・J300事務局(女性社長.net内)・ニュービジネス協議会が主催する、企業×女性社長のマッチングイベント「ビジネスにも運命の赤い糸ってあるんです」。(2016年2月10日3度目の開催決定:https://joseishacho.net/2015_matching/)。2014年度イベントを通じ生まれたコラボレーションのひとつが、株式会社ミス・パリのキャンペーン『ラクにカッコよく、プロポーズ大作戦!~3か月密着ドキュメント! こんなボクでも彼女できますか?〜』。企画提案したのは、オリジナルでユニークな企画力で企業を応援するPRを目指す、株式会社クリエイティブPRの平野マユミさん(女性社長インタビューvol.99参照)。どのような経緯で企画が生まれ、コラボの実現に至ったのか。平野さんと、ミス・パリ担当者としてマッチングイベントに参加した堀田理子さんに詳細をうかがった。

3分間でどれだけ企画をアピールできるかが勝負だと思っていた。(平野) 提案が楽しくて、説明も楽しい。すぐに「ぜひもう一度この人に会いたい」と思った。(堀田)

3分間でのプレゼンがいかに難しいか、日頃の仕事で、あるいはこれまでマッチングイベントに参加して実感している方は多いと思う。仕事で年間50本ほどプレゼンし、セミナー講師なども務め、人前で喋ることには慣れている平野さんですら、本番前にはかなり緊張した。しかしその緊張を楽しむ術を心得ているのも確か。前日に時間計測しながらのリハーサルはしたものの、当日は「いかに自分も楽しむか」考えてプレゼンに臨んだという。 一方の堀田さんら企業側にとっても、どんな女性社長がどんな企画を提案するか、期待と緊張は変わらない。しかし今思い返すと、緊張でガチガチに硬くなっている他の提案者に比べ、「平野さんがすごく楽しそうに話すのにつられ、こちらも楽しく感じたのを覚えています」。 自分で楽しみながら、相手も楽しませる。このコラボが実現した背景には、どうやらこんなキーワードが潜んでいそうだ。

「あのキムタクのダンディハウスが…!」。マーケットの中での立ち位置を忘れず、新しいユニークな提案をする

今回のイベントでミス・パリが求めた企画テーマは『男女を問わず、SNSを活用して“ダイエット=エステ”という認知を高めるためには?』。「男性も美容と健康に気を使うようになり、特に男性エステは伸びていくマーケットだと思いました」(平野さん)。さらにネット上で、ダンディハウスに対する否定的な書き込みが少なかったことも興味を引いた。結果が出やすいエステは、少しの不満も悪いイメージにつながりやすい。否定が少ないということは、それだけ満足度が高いということでもある。

そこで平野さんは、ターゲットを「痩せたところで、どうせキムタクになれるわけじゃないし」と思っている男性に絞った。キーワードは「婚活」。仕事で株式会社ツヴァイとのつながりがあり、そこをつなげば新しいプロモーションになるという目算もあった。堀田さんは言う。「実際に、ダンディハウスに通いエステティシャンと話をするうちに女性との会話にも自信がつき、彼女ができた方や結婚に至ったという方がいらっしゃるんです。でも、それを婚活と結びつける発想はなかったし、仮に発想しても、社内だけでは実際に結婚相談所とタイアップしたプロモーションはできなかったと思います」。

こうして4名の独身モニターがサロンに通い、最終的に婚活パーティに参加するまでをSNSで発信するキャンペーンが実現。「これまでのダンディハウスにはなかった弾けた企画」(堀田さん)に、周囲からの反響も上々だという。


右画像/クリエイティブPR平野さん(左) ミス・パリ堀田さん(右)

はじめは小さくても信頼で大きい取引へ

マッチングイベントの直後からミーティングを重ねた平野さんと堀田さん。もうちょっと違う方向からの企画を考えたこともある。「その企画というのがひどいんです。『燃えよ! デブゴン 結婚への道』とか『ダイエット戦隊デブレンジャー』とか(笑)」(平野さん)。もちろんボツになったものの、新しい切り口からのアイデアばかりで、堀田さんにとってはある意味、新鮮だったという。一番の山場は、無口で知られる取締役を前にしてのプレゼン。さすがの平野さんも緊張したが、喋っているうちに「目の前のこの人をなんとか笑わせたい」と思うようになった。結果は無事に決裁が下り、キャンペーンがスタート。「最初のお取引はいくらでもいい、というのがうちのスタンス。クライアントさまのためになる仕事ができるようになれば、お金は後からついてくると思っていますから」と平野さん。実際、今ではミス・パリの他案件に関するPRの相談も受けるようになり、個人としてだけでなく、会社としても篤い信頼を得るまでになった。一方で平野さんは、会社規模に関係なく、いい企画なら取り入れようというミス・パリの柔軟な姿勢にも驚いている。「仕事を公正に評価していただけることがうれしい」と語る。


平野さん/過去インタビュー記事は画像クリックでご覧いただけます

相手の企業を想う熱い企画

平野さんは新しい提案を考える場合、まずは相手企業の業界内での立ち位置を確かめることから始める。その業界の動きはどうか、そこで相手企業はどんな状況にあり、競合他社はどんな活動をしているか。それらを見極めたうえで、これまでと違う方向からの提案を考える。ときには現状の否定から入ることもあるが、「広報という仕事は、愛がないとできない仕事」、経営者はもとより、担当者がどうにか課題を解決したいと試行錯誤している姿を見ると、「儲けたい」より「もっと役に立ちたい」思いが強くなる。

今回の婚活キャンペーンでも、その思いを強くしている。ラクにカッコよく、プロポーズ大作戦!の参加者の施術後、「女性との会話には慣れてきたけれど、女性を褒める、喜ばせる会話はまだ慣れていないかも」というサロンの担当者の感想が寄せられた。「施術するだけでなく、お客様とコミュニケーションをとっているから出てくる言葉。弊社スタッフ全員感動、ますますリスペクトの気持ちが強くなりました」(平野さん)。そんな感動から生まれた新しい提案もある。

一方の堀田さんも広報チームの一員として、新しい提案があると聞けば、取引のない会社でもできるだけ話しを聞くようにしている。しかしこれまでやってきたような施策の提案が多く、まして平野さんのように、ときには耳の痛い内容も正直に言ってくる人はほとんどいない。「こっちの方がいいですよと、最初のオーダーと全然違うことを提案することもあって、『言うことを聞かない代理店』と言われることもあります」と平野さんが笑えば、「平野さんの言葉には、ミス・パリやダンディハウスを好きでいてくれる気持ちが溢れている。だからどんなに突飛な提案でも聞いてみたくなります」と堀田さん。お互いに対する篤い信頼が、今では抜群のチームワークを生み出している。

今年マッチングイベントに参加する女性社長さんへメッセージ

平野さん「プレゼンでは、自分がやりたいことではなく、『相手が聞きたいことを話す』。これにつきます。相手が求めていることを話せば、相手は興味を持つし、楽しんでもらえる。これはマッチングイベントに限らず、どんなプレゼンでも同じだと思います。私自身も、広告営業を始めたころは、同行していた上司にプレゼンを1分で遮られたくらいド下手でした。今は、少しは上達しましたが、まだまだ。でも、プレゼンは大好きです!」
堀田さん「3分間が自社や商品の説明で終わってしまい、事前に提示したテーマにどう結びつくのかまでたどり着かない方も多いと感じました。その点、平野さんの提案はテーマにきちんと合致していて、しかも面白い。すぐに『もう一度お会いしたい』と思いました。プレゼンでは緊張し、焦ってしまう方もいらっしゃると思いますが、緊張してもし上手に話せなくても、企画が面白ければ担当者は『また会いたい』と思うはず。3分という時間は決して長くはありませんが、『また会いたい』と思わせるには十分だと思います」

株式会社クリエイティブPR http://www.creative-pr.jp/
株式会社ミス・パリ http://www.miss-paris-group.co.jp/
今年度も実施します!2016年2月10日J300&内閣府共催企業×女性起業家マッチングイベント https://joseishacho.net/2015_matching/


株式会社ミス・パリ/エステ、美容業界大手。海外進出や男性向けプランも展開。